いじわる社長の愛玩バンビ×ごくうさ番外2
日々の閲覧とリアクションありがとうございます!
本日はバンビちゃんの更新の予定でしたが、ちょっと詰まったのでごくうさで。
なんか色々書きちらかしてますね。
ごくうさ番外は少し不定期になるかとは思いますが、この二人がお好きな方はまた少しお付き合いいただければと思います。
以下は『いじわる社長の愛玩バンビ』より例の風の噂です。
こういう噛み合わない会話書いてるのほんとに楽しい。
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その日、湊はふらりと『SILENT BLUE』を訪れた八重崎に指名されて、同席していた。
相手が信頼できる友人だから気が緩んでいたのだろうか。接客中に他のことを考えることなどあまりないのだが、不意に昨日辞めた鈴鹿万里の涙を思い出して、あれからどうしたかと心配になって言葉少なになってしまい、それを八重崎に気付かれてしまった。
「湊……何だか元気ない……。溺愛ガチムチ極道に日夜身も心も愛されすぎて応えたい気持ちとは裏腹に腰と尻が限界……?大丈夫……?」
「え……えぇ?」
「尻の方は……早めに受診した方がいい……病院探す……?」
「いっ、今のところ大丈夫です。すみません、ちょっと、昨日辞めた鈴鹿がどうしたかなって思ってしまって」
正直に話すと、八重崎は全てを知っていたようだ。問題ない、とあっさり言い放ち、やけに具体的な顛末を教えてくれた。
「あれは大丈夫……。傷心で泣きながら実家に帰った鈴鹿万里は……翌朝、つまり今朝、ヘリで迎えにきた久世昴に……『あいつとのことは誤解だ。俺の愛しているのはお前だけだ、万里……!』って結婚指輪を渡されてめでたしめでたし……」
「えっ、鈴鹿の家、ヘリポートあるんですか。すごいな……」
「有史以前より、セレブはヘリで迎えに来ることが決まってる……。ちなみに石油王は自家用ジェット……。今やこれは常識……。石油王は……もはや絶滅危惧種だけど……」
「はあ……。えーと……じゃあ、二人は結婚したんですか?」
「土曜日遊園地一年たったらハネムーン……」
お祝いしたいと思ったが、鈴鹿の連絡先は聞いていない。八重崎は知っているだろうが、それ経由で突然連絡したら個人情報の漏洩だ。
「そのうち、二人と会えたらいいな」
「ダブルデート……こっそりついてくから……するときは教えて……」
「ついてくるならこっそりじゃなくても……八重崎さんも一緒にどうですか?」
「美味しいネタは大気になって見守るべし……というのが……師匠からの教え……」
八重崎の言うことは、いつも難しい。
セレブがヘリ、石油王が自家用ジェットならば、極道は黒セダンだろうかと考えてしまった湊であった。