『ラブ、大盛つゆだくで』 累計リアクション500 over 感謝SS.。*゚+.*.。
いつも閲覧ありがとうございます♡
先日『ラブ、大盛つゆだくで』の累計リアクションが
大変ありがたいことに500を超えまして、
遅くなりましたが感謝の気持ちを込めて
勝手ながらまたショートストーリーを書かせていただきました。
内容は、第3章 「ラブ、つゆだくで」 のデート後のお話になりますので
本編を先にお読みになってからのほうが、よりお楽しみいただけるかと思います?
昨日何食べた?というより、今朝何食べる?って感じのお話です(⁎˃ᴗ˂⁎)
いつも、たくさんのご反応をいただき本当にありがとうございます⸜(*ˊᵕˋ*)⸝
本編も近いうちにまた更新できそうですので、
今後ともよろしくお願いいたします!
ちなみに、前回の300 over 感謝SSはこちらです↓
https://fujossy.jp/notes/22639
それでは、どうぞ。
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「牧さん。レタスちぎったら、テーブルの上にあるお皿に盛りつけてもらっていい?」
「おう。任せろ」
「それが終わったら、カットしたミニトマトとクリームチーズ乗せて…」
「最後にドレッシングだろ? わかってるって」
牧は笑顔でそう言うと、レタスの入ったボウルを持ってダイニングテーブルへと向かって行った。
テーブルには、先日鳴海が買った木製のサラダボウルが並べられていて。
そこにレタスを山盛りに乗せて、それからミニトマト、クリームチーズを添えて、仕上げにドレッシングをかけてサラダの完成だ。
「鳴海ぃー、サラダはもうできたけど」
「じゃあ、これもそっち持っていくんで。先座ってて、牧さん」
そう言うと、鳴海がキッチンから小さめの丸いフライパンを片手に持ってやって来て、別の皿に盛りつけていく。
サラダボウルと一緒に買ったその仕切りのある木製プレートに、小さいエリアのところにウインナー、ベーコン入りスクランブルエッグをそれぞれ乗せていく。
同じ店で購入したリネンのキッチンクロスをランチョンマット代わりに敷いてみたら、意外とお洒落な雰囲気になっていた。
ちょうどオーブントースターのチンというベル音が鳴り。
仕切りの大きいエリアに、焼きたてのクロワッサンを置いて、プレートの盛りつけも完成する。
「おおー。美味そう! やっぱ、食器が違うと気分が違うよなぁ」
牧は言われた通り先に席に着いていて、目をキラキラさせながら並べられた料理を眺めていた。
鳴海の家ではあるけれど、何度も来ていることもあって、すっかり寛いでいる。
最後に、昨日の残りのミネストローネをよそったスープマグと、牛乳のグラスがそれぞれ二つコトンとテーブルに置かれて。
ようやく鳴海も椅子に座り、二人声を揃えて「いただきます」を言う。
「前に鳴海が作ってくれたこのサラダ、俺これ大好き。またリクエストしよっと」
「気に入ってもらえて良かった。今日は牧さん、手伝ってくれてありがとう」
「別にいいよ、これくらい。お客様ってわけじゃないんだし」
「え…」
「なんか、二人で朝ごはん用意するってのも、新婚みたいでいいよな」
牧が何気なくそんなことを言うと、鳴海は手に持っていたクロワッサンをポロンと皿の上に落とす。
「うわっ、鳴海、危な…ッ」
ギリギリセーフじゃん、と言われて、それまで固まっていた鳴海がやっと我に返る。
「あ、すみません…」
今の台詞、録音しておけば良かったな…と鳴海が一人呟いたが。
牧は食べるのに夢中で、そんな様子に一切気づかないでいる。
「にしても、俺普段あんま料理とかやんねーけどさ。案外、こういうのも楽しいもんだな」
「そう…?」
「うん。今度また料理するとき、俺もっと手伝いたいかも。トースターにパン入れたり、スープよそったりさ」
「牧さん、それって料理とは言わないけど」
鳴海がくすりと微笑むと、牧は口を尖らせて。
「別にいいだろ。少しずつ覚えていけば。俺だって、鳴海の役に立ちたいんだよ」
「牧さん…」
いつも牧の言葉のひとつひとつが、鳴海の心に染み込んでいく。
それはとても温かくて、優しくて。
牧に居心地の良い場所と思ってもらいたくて、普段あれこれ世話を焼いてきたけれど。
こうして二人で仲良く準備するというのも、幸せな時間なのかもしれないと鳴海は思った。
「それじゃあ。次、何か作るときは牧さんに色々お願いしようかな」
「うん。次はもっと頑張るから、俺」
次、そのまた次、と。
どんどん約束が増えていくのが嬉しくて。
――ずっと、この小さな幸せが続きますように。
鳴海はそんな願いを込めながら、スプーンでスープをぐるぐるとかき混ぜた。
【連載中】『ラブ、大盛つゆだくで』(※R18)
https://fujossy.jp/books/17547