誕生日【宮前鈴】

今月、10月6日は宮前鈴くんの誕生日でした!!
HappyBirthday!!・:*+.\(( °ω° ))/.:+

 

鈴くんと芽季くんが出会って初めての鈴くんの誕生日のお話です。

Twitterにて投稿した文をこちらにも。

 

《鈴と芽季~高校三年生 秋~》
 
休日の朝、平日とは違って遅めに設定したアラームの音で目が覚める。
アラームを止めるためにスマホに手を伸ばして、そのまま画面をメッセージアプリに切り替えればいつもよりも多めの件数に思わず頬が緩む。
そうして1件、1件、目を通して返事を返しつつ頭に浮かぶ人物からのメッセージを探してしまうが生憎来ておらず、まだ起きていないのか、趣味に没頭しているのか、はたまた忘れられているのかもしれないなぁと考えて今度は苦笑が浮かぶ。
 
いや、忘れられていたら結構ショックなんやけどね、でもめーちゃんやしなぁ……
 
そう、心の中で自分に言って聞かせながらそんな考えを振り払うようにリビングへ向かえば今日も仕事があると言っていたお母さんの姿はなく、代わりに机の上に置かれていたのは用意してくれていた朝食と、メモ用紙。
 
そこには先ほど確認したメッセージと同じ言葉と、早めに切り上げて帰ってくるので夜は一緒に食べようねと言う言葉。
その言葉にほんの少し胸が暖かくなった。
 
朝食を食べ終え、洗い物や洗濯と、一通りの家事を終えてしまえば、特にすることもなくて録りためていたアニメを見ていたらピロンと言う通知音に思わず反応してしまう。
 
開いたトーク画面に映し出された名前は今日、起きた時から頭に浮かんでいた人物で、忘れられていなかったことにホッとしつつ、嬉しさが同時に込み上げてくる。
そうしてお礼を打とうとした瞬間、続けて送られてきたのは「今から少し会えへん?」というもので、俺は勢いよく立ち上がった。
 
■□■
 
「めーちゃん!」
「やほ~りんちゃん」
 
指定された待ち合わせ場所に行けば珍しくめーちゃんの方が先に来ていて思わず小走りで駆け寄る。
 
「ごめん、ちょっと待たせちゃった?」
「いんや、俺も外出る用事済ましてここきたからそんな待ってないで」
「めーちゃんが朝から外に……?」
「何やその顔は」
「いや、めーちゃんいつも朝は寝てるか完徹してゲームしてるかだから朝早くから出かけるイメージがわかなくて……」
「いや、まぁ確かにその通りなんやけど」
 
俺の言葉に小さな声でぶつくさと文句を言うめーちゃんを見て笑えばじとーっとした視線を向けられるが気にせず言葉を放る。
 
「で、どうしたの急に会おうなんて」
 
そう、めーちゃんが午前中の間外に出かけるのも驚いたが、もっと驚いたのがこのお誘いである。
 
だってめーちゃん、基本的に誘ったら遊んでくれるけど、自分から誘ってくることってほとんど無いし、誘ってきたとしてもゲームのコラボ系のイベントやったりするもんなぁ、しかも当日とか前日のお誘いは大体ゲームするからって断られるし、OK出ても大体お互いの家やったし、外で会おうなんて珍しいというか、初なんちゃうかなぁ。
 
そんな考えが顔に出ていたのかめーちゃんが口を尖らせつつも
 
「今日、りんちゃん誕生日やん」
 
と言った。
そうしてめーちゃんが言葉を続ける。
 
「そんでなプレゼント買うために朝、出かけて目当てのもんちゃんとGETできたからどうせなら誕生日当日に渡したくて呼び出してん」
「俺の為にわざわざ早起きして外に出てプレゼントを用意してくれたんや」
「うっ、改めて声に出して言われると何や照れるな」
 
そう、言いながらガサゴソと鞄の中からラッピングされた物を取り出して俺の目の前に差し出した。
 
「はい、りんちゃん。改めて誕生日おめでとう」
「っ、ありがとう!大切にするね」
「ん」
「開けても良い?」
 
俺の言葉に「ええよー」と、返してくれためーちゃんの言葉に従ってリボンを解いて袋を開ける。
その中から出てきたのは
 
「これ……」
「好きやろ、りんちゃん」
 
中に入っていたのは俺の好きなキャラクターのキーホルダーとメモ帳で、それにこのキャラクターは
 
「それにこのキャラクターは俺とりんちゃんが仲良うなるキッカケなったもんやからな」
 
俺の心の声を代弁したかのようにめーちゃんがニッと笑ってそんな事を言って
 
「これからもよろしくな、りんちゃん!」
 
なんて続けるから、色々込み上げてきた気持ちを上手く処理することが出来なくて
 
「っ、こちらこそよろしくね、めーちゃん」
 


そう、絞りだした俺の言葉にめーちゃんは満足そうに頷いた。