【えちぅど】chocolate Lips

まずお知らせ。

朗読サイトwritoneにて当サイトにも掲載している【えちぅど】-「リンゴのかほりモンスター」を朗読していただきました。

( https://www.writone.com/books/f9WXx04a0WtGt7y3M2o7?mode=listener )

 

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 チョコレートを突き立てる。中にビスケットが入っていて、長さはチョークくらい。教師になれたみたいだな。今の時代は黒板ではなくホワイトボードか。移ろう感じだ、世間は。俺も移ろうのかな。自分でも知らないうちに。嫌味なおじさんに、なっちゃうのかな。君だけ置いていって。

 

 

 色のない唇にチョコレートを塗る。相変わらずまだ白い。口紅じゃないんだ、当たり前。なのに君はこれを食べると、いつも子供みたいに口の周りを汚していたね。君に自分の顔は見えないけれど、俺はよく覚えている。そのうち、ずっと遠い未来に、人の頭の中の写真なんかがプリントできたら、君にも見せてあげたかったな。口の周りに甘いヒゲができてるの。でも多分、その頃俺はもうおじいさんで、もしかしたら他に写真に写す人ができていて、そうでなくてもずっと歳下になった君のこと、覚えていないかも知れないよ。

 

 どう思う?嫌かな。
 他の人のこと、好きになってもいいのかい?

 君のこと、もうずっと忘れてしまっていても。

 

 

 

 

 

 返事はないから俺の中の君から探すしかない。
 俺は他の誰かを愛するよ。君のこともすぐに忘れる。

 


 さようならは言わない子だったから、俺もさよならは言わない。


 じゃあ、バイバイ。
 違うね。それはなんか、俺が嫌だ。

 

 また今度。

 君のことなんてすぐに忘れるから、俺は忘れているかも知れないけれど。

 

 

 君の好きだったお菓子はそろそろ溶けていく。君と一緒に、空を泳いで。


 世間はバレンタインデーだろう?見えているかい?広告会社の策略に奔走して、手作りチョコとか、いつもよりお高いブランド菓子なんか買ったりして。君のは1袋110g198円。スーパーで買ったもの。レトロな感じが好きだったよな。

 

 

 

 特別ではないのがかえって特別みたいだった。他に誰かを愛しても、君は日常に入り込んで、忘れるなんてできるはずがない。
 
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700字後半

 

なんかグダった感じ。改稿の余地あり。死という単語を使わない死別モノはあっさり終わらせるのが華。

 

バレンタイン×死別モノ

子供っぽい年下受け×保護者系強がり穏和スパダリ歳上美青年想定