怖い話
怖い話でもする。
ちなみにオチはない。
私は風俗街なんかもあるような街で育った。
そこで聞いた話。
飲んだ後、電車もなくなったので歩いて帰ることにしたサラリーマンが、ふと目をやった裏通り。そこに人が倒れているのを見つけた。
治安はよろしくないが、人情はある街で、つぶれて寝てたら誰かが助けてくれる。
財布は無くなってるかもしれないが、命はなくならない。
そんな街。
そういうわけで、そのサラリーマンも倒れている人に声をかけようと思ったらしい。
で、裏道に入ったらたおれていた人がいない。
あれ?
と思ったなら、見た場所より奥に倒れていた。
おかしいなとおもった。
確かにここに倒れていたのに。
そこだと、表通りからは見えないのに。
その次の瞬間、物凄い勢いで倒れていた人が倒れたまんま、裏通りの奥へと移動していった。
まるで何かに引きずられているかのように。
顔面をアスファルトにこすりつけ、片足だけが宙にういて、後方にむかって高速で移動していた。
怖くて怖くてうごけなかったんだって。
そのまま角を曲がって引きずられた人は消えたらしい。
慌てて後を追ったけど、どこにも何もいなかったって。
そんな思い出した話