パンツの日
2018年に書いた「パンツの日」のSS。
Twitterに今日再掲しましたが、Twitterしてない方も読んで欲しいと思い、こちらにも再掲させて頂きます(笑)
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「仁!」
シャワーを浴びた佑月は、脱衣ルームに用意していたはずの下着が無くなっていることに気付き、須藤を呼ぶ。
「どうした」
「どうしたじゃない。パンツがない。返して」
「必要ない。それも」
「あっ、ちょ! 返して」
腰に巻いていたタオルまで奪われ、全裸になり佑月は慌てる。
「どうせ直ぐに脱ぐんだ。履いても意味が無い」
相変わらずの傲慢っぷりに、佑月はそっちがその気ならとゆっくりと息を吐く。
「悪いんですが、今夜は気分が乗らないので俺には指1本触れないで下さいね?」
にっこりと佑月が微笑めば、金仏の須藤のこめかみが僅かにピクリと動く。
佑月が触れるなと言えば、須藤はいつも無理強いすることはない。それをよく分かっている佑月はバスローブだけ羽織り、わざと須藤の対面するソファに座り足を組んだ。見えそうで見えないを意識して。それからあらゆる手段で須藤を挑発する。佑月から一切逸らされることがない須藤の目。
それは極上の餌を前にお預けくらう猛獣さながらだ。
「暑いなぁ……」
佑月は徐ろにバスローブの合わせを乳首が見えそうな際どいところまではだけさせる。
その時不意に須藤が立ち上がり、リビングから出ていったかと思えば何かを持って再び戻ってくる。
「履け」
その手には佑月の下着。
佑月はこっそりとほくそ笑み、須藤からパンツを受け取る。
「ありがとう。やっぱり履いてないのは気持ち悪いし」
と、右足からパンツを履こうとした時急に視界が反転した。
「っ!」
「この俺を我慢させた事、後悔するなよ」
須藤の肩に担がれた佑月はキングサイズのベッドへと放り投げられる。
「まだ履いてないのに!」
佑月の声などもう届かない猛獣須藤は、怒涛の如く佑月の全てを貪り尽くした。
お陰で翌日の佑月は半死状態。
結局丸一日パンツを履くことが叶わなかったのは言うまでもない。
優位に立てるのはいつも一瞬だということをいつまでも学ばない佑月であった。
【J.O.A.T】