用語解説 トップハット

トップハット(Top-hat)は、高い円筒状のクラウン、両側が反りかえったブリムを持つ帽子の総称です。
日本ではシルクハットの名で知られていますね。
なぜシルクハットと呼ぶようになったかと申しますと、ビーバーの毛を用いていたことがあったんですね。
しかし乱獲によってビーバーちゃん激減。代用として絹を使うようになりました。
その当時の呼称が日本に残ったということです。
シルクハットという呼び名は欧米にもあります。
しかしこれはあくまでも素材を示しています。あの形の帽子全般を指すならトップハットです。


トップハットはたいへん高価な帽子だそうです。
素材はもちろん、製造に手間がかかるので値も張るとのこと。
熟練の職人がひとつひとつ手がけていたそうな。
上流階級御用達ということになるのでしょうか。
20世紀に入ったとたん、大量生産のフェルト帽やボウラーハットに押されて姿を消していったということです。


トップハットは、フロック・コートやモーニング・コートなど丈の長い上着と合わせることでバランスが取れるように作られています。
フロック・コート、ステッキ、トップハットで縦長のラインを作り、背を高く見せるなどの目的があったようです。
紳士の証であり、おしゃれであり、権力の誇示だったのです。

 

 

英ドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』より

 

フロック・コートに続き、ジェレミー・ブレットのホームズを。

カフリンクスもちらっと見えてます。最高に美しい英国紳士。