クリスマス会話文(晩ご飯勇者・誰殴)
メリクリアミーゴ、木樫だす。
今日はクリスマスイブですね。木樫はパーリナイの準備やらで会話文を4作品書けなかったのですが、チキンもケーキも美味しいのでヨシですぞヽ(*´∀`)ノ
さて今回は、メリクリ会話文をおいておくので暇つぶしにどうぞって話ですぞー!
ダブル長編から「本日のディナーは勇者さんです。」「誰かこの暴君を殴ってくれ!」の皆さん。
今年も超絶コメディです。
気楽に暇つぶしとして読んでいただけるとハッピーなのだぜ(*´ω`*)
それでは! 木樫は今年あまりいい子にしていなかったのでサンタさんもイッタさんも来てくれませんが、ハンタさんぐらいは来てくれると嬉しいのである。
そう思って眠る今日。いや日々。
アディオス!
◆魔界的クリスマス・イブ=??
「去年の謎を解明するが……クリスマス・イブは、栗スマスィ部じゃねぇのか」
「栗スマスィ部は存じ上げないな」
「栗は栗。スマスィは神の名前だろ? 栗の神を崇め隊の会合だ。栗スマスィ部」
「なるほど。アゼル、それは圧倒的な勘違いだ。クリスマス・イブだ」
テーブルを囲むシャルとアゼル。
シャルは手元の紙に〝クリスマス・イブ〟と書き、隣にポップなクリスマスツリーも書き添えた。
(ポップな木が気になって仕方ねぇ……なんで星のついた木を……魔王にはわかりかねるぜ、クリスマス・イブ……)
「気になる木……」
「? アゼル?」
「なんでもねぇ。去年からの謎はまだあるぜ。そう、三択ロースだ」
「アゼル、またしても勘違いだ。サンタクロースだぞ」
「なにっ」
アゼルの書いた〝三択ロース〟の隣に、シャルは〝サンタクロース〟と書き添える。
「おい、なにもかも違うじゃねぇか! 栗スマスィ部はサンタ星人になった現代人どもの祭りで、子どもの寝室に不法侵入し、ロース、ヒレ、リブ等をプレゼントするしきたりなんじゃねぇのか?」
「よし。文字にしてくれ」
「こうだ」
「これは……な、なんてことだ……!」
「なんだよ。まだ間違ってんのか?」
「あぁ。アゼル、全て勘違いだ」
「全てかッ!」
「全てだ」
シャルが申し訳なさそうに胸の前でバッテンを作って首を横に振ると、アゼルは驚愕し、ワナワナと震えた。
一年越しの勘違いである。
シャルは立ち上がり、アゼルの頭をよしよしとなでる。
「アゼル、大丈夫か?」
「……。だいじょばねぇぜ」
「ううん、困ったな……俺はどうすればいいんだ? アゼルを大丈夫にしたい」
「そのままギュッとしやがれ」
「わかった。ギュッとする」
真顔のアゼルの言うまま、アゼルの頭をギュッと抱きしめるシャル。
「どうだ? 大丈夫か?」
「やや大丈夫だ。けどまだ足りねぇぜ」
「まだだいじょばないのか」
シャルは抱きしめた腕にギュッギュと力を込め、更になでなでポンポンとオプションもつける。
おかげで魔王の見えないしっぽがもげそうなくらいに振られるが、全く気づいていない。
「ククク、クックック」
「おっと」
一生懸命抱きしめるシャルに、アゼルはヒョイとシャルを抱え、自分の膝に乗せた。
「? ご機嫌だな、アゼル。大丈夫になったのか?」
「ふふん、複雑な事情により定かじゃねぇな。主に思いがけず合法的にお触りされる事情だ」
「定かじゃないのはどうかと思うが……」
「気にすんな。いつものことだぜ」
「いつも定まっていないのもどうかと思うぞ」
心配するシャルがアゼルの顔をのぞき込むが、アゼルはニマニマと機嫌よく笑うだけだ。
クリスマスはアゼルが勘違いをしたが、アゼルの言い分を勘違いするシャルはかわいいとアゼルは思う。割と常にかわいいと思っている。
「そんなことより、シャル。それで今年のクリスマス・イブのディナーも、特大ケーキが並んでたってわけだな?」
「ん? ん、そうなんだ。それを見たアゼルが『今日は栗祭りか』って言っただろう? これはなにかおかしいぞ、と思ってな。聞いてみたら案の定だ」
「フン、俺は悪くねぇぜ。今回のことは魔界にクリスマス・イブがねぇのが悪い。よって魔界のクリスマス・イブは、シャルのケーキを食う日とする」
「そのクリスマス・イブは魔王城の仲間たちくらいしか堪能できないんじゃないか? 日持ち的に……いや、シュトーレンなんかを焼けば大丈夫かもしれない」
「はッ! シャルのケーキを食う日にすると有象無象がシャルのケーキ、つまりシャルを求めて押し寄せる……俺のシャルの取り分が減るじゃねぇかッ!」
「よし。せっかくアゼルが決めたクリスマス・イブだから、みんながお祝いしてくれると嬉しい。来年からはたくさん焼いておくぞ」
「馬鹿野郎! クリスマス・イブが適用されるのはこの世の中で俺だけだ! その他の存在にクリスマス・イブは訪れもしねぇぜ! 未来永劫、クリスマス・イブはただの一日として過ごすことしか許されねぇからな!」
「はっ?」
「クリスマス・イブは中止だッッ!!」
〜こうして魔界にクリスマス文化は広がることなく抹消され、局地的に根付いた〜
◆御割流・クリスマスの過ごし方
──御割宅。
「で? これが先輩が毎年お楽しみにしてたクリぼっちの過ごし方ですか」
「クリスマスの過ごし方だって言ってんだろテメェ言葉を全て悪化させねぇと死ぬ妖怪かッ!」
チキン、ケーキを用意してテーブルに並べ、適当に借りてきたデデニー映画を見ながらソファーにならぶ二人。
「興味ないから俺のクリスマスのやり方でいいとか言ってだらけてたくせに、文句だけは言いやがって……!」
「俺デデニー興味ないんですよね」
「文句だけは言いやがって!」
御割が頭突きをしようとするが、三初はサッと避けた。
御割は舌を打ち、反撃をあきらめる。機会があればまだ殴ろうとは思っている。
「玄関にちっちゃいツリー飾ってあったの、あれも毎年ですか?」
「おう。いいだろ。昔土産で貰った海外のツリーだぜ。箱から出すだけだけど、結構綺麗なんだよな」
「ふぅん。誰ですかね」
「あ? 誰って言っても、大学のダチだかンな……お前の知らねぇやつ」
「へぇ。俺の知らない人のお土産毎年飾ってるとか、先輩サイテー。デリカシー枯渇シテルー」
「は!? なんでそうなったコノヤロウ! コテコテの高音でおちょくってんなっ」
「んー? 別にー?」
「な、なんだよ、意味ありげにこっち見んな。シンバ見ながらピザ食ってろ」
「やです。シンバよりこっちのが愉快」
「お前それ恋人に使う形容詞じゃねぇからな」
「ねぇ先輩。恋人なら俺のプレゼントもどっかに飾っといてくださいよ。媚薬のビンとか」
「なんでよりにもよってそれ飾らせようとすんだよひねくれ暴君ッ! あとシーフードピザのとこは俺の陣地だろうがッ! 勝手に食うなッ! 俺のプライドランドから出てけッ!」
「貝柱うまいな〜」
「崖から突き落とすぞこのマイペース鬼畜星人……ッ!」
「どうどう。俺のハチミツチーズ分けるんで鎮まりたまえ。ハクナマタタですよ、ハクナマタタ。ね? ほら言ってみ? ハクナ?」
「マタタァァァァッ!」
「ふっ、全然やなこと忘れて平和的にじゃないじゃないですか」
「避けんなッ! 殴らせろッ!」
「うわ、ちょっとソファー狭いのに襲いかからないでくださいよ鬱陶しいな」
「言うにことかいて鬱陶しいってなんだコラッ!?」
「あー死んじゃうースカー助けてくれー」
「誰がスカーだ誰がッ! ムファサに謝れッ! そしてなにより俺に謝れッ! 今すぐ土下座しろッ!」
「ごめんねムファサ」
「俺に謝れぇぇぇぇぇぇッ!」
〜しばらくお待ちください〜
「疲れた……無駄に疲れた……」
「ハチミツチーズは?」
「死ね……食わせろ……」
「やかましいなぁ」
「うむへぇ……」
ハチミツチーズピザを無自覚にあーんさせる御割と、わかっていてノる三初。
やっぱり映画より愉快でしょ、と内心で言ってみるが、御割がわかっているわけがないのだ。
「んぐ。結構うめぇな」
「でしょ。この甘いのはイけるんですよ」
「わかるわ。てか三初ェ」
「なんですか」
「プレゼント飾れって言うけどよ、そもそも俺お前に貰った時計毎日使ってんだろ。飾る時ねぇんだよ。後は飾るもんでもねぇし」
「あー……はい。まぁ、そうですね」
「あ? ンだよその生ぬるい目は」
「別に? 強いて言うなら、その件はもういいですってことかね」
「はっ? 人を散々おちょくったくせに飽きてんのかよテメェ自由すぎるわっ」
「んー……飽きたってか……満足したってか……」
「もう知らん。テメェにやるチキンはねぇ。クリスマスプレゼントもやんのやめにしてやらァ。一人寂しくポテトでも食ってろクソサド野郎」
「あ、クリスマスプレゼント用意してくれてたんですね。やったー嬉しー」
「アッ!?」
「ってことは、俺とチキン食べてデデニー見ながらクリスマスすんの、めちゃくちゃ楽しみにしてたとか?」
「ンなわけあるか自意識過剰なんだよッ」
「顔真っ赤ですけど」
「リモコンどこだッ! 暖房強すぎだわッ!」
「あらら……あーあ。せっかくクリスマスプレゼントあげようと思ったのに、逃げちゃうのか。残念だなぁ〜」
「誰が逃げるか死ねッ!」
「くく、顔真っ赤なまま戻ってきた」
〜この後死ぬほどメリークリスマスした〜