「恋なんかじゃない」 クリスマスSS 1/3♡

ひとつ前の記事に書きましたが。某コンテストで「恋なんかじゃない」を8位にして頂いて。お礼のSSです♡ 本編の後ろにつけるのも変な気がしますし、これだけで1作品増やすのも……。どこに置いて良いか分からず……。

 

ここに置いてみます♡ 

後編は明日……♡

 

本編はこちら → https://fujossy.jp/books/21500

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「優月、これもそっちに運んで?」
「うん。もうこれで終わり?」
「終わり。運んだら座ってて」
「うん」

 クリスマスイブ。
 玲央と過ごす、初めての。

 料理や飲み物を、ローテーブルに並べて、オレは座った。
 すぐ隣の、クリスマスツリーを見上げる。


 2週間位前に、「そういえばツリーとかクリスマスっぽい事何もしてないね」なんて軽い気持ちで言ったら。
 その3日後、玲央が注文して届いたツリーは、もうかなりの特大ツリーで。買ったのも知らなかったから驚いたし、大きさにも驚いた。

 オレより背が高いから、一番上の星は椅子に乗って飾ったし、飾りつけも、かなり大変だった。

 でも。


「部屋消すよ」
「うん」

 玲央の言葉に頷くと、玲央は部屋の電気を消した。 

「うわー……やっぱり、すごい綺麗だね」

 部屋が暗くなって、ツリーのライトだけになると。

 飾るのは大変だったけど、大きいし、ライトもたくさんで明るくて、
 もう、めちゃくちゃ綺麗で。


「乾杯しよ、優月」
「うん」

 炭酸ジュースを入れたグラスを渡されて。受け取ると、玲央が、隣に座った。

「来年は酒でな?」
「うん。ちょっと楽しみだね」

「お前、弱そう」
「うん。そんな気が……」

 そう返すと、玲央はふ、と笑って。
 優しく見つめてくる。

「でもさ、そんなこと言って、オレの方が強いかもよ?」
「ん。まあ。そうかもな?」

 クスクス笑いあいながら。
 グラスを合わせて、乾杯をして。
 一緒に作ったものをゆっくり食べながら。何だかすごく穏やかで。


「ピザ、美味しい」
「ん」

「ピザって、家でこんなおいしく、作れるんだね」
「優月……ケチャップついてる」

「ん、どこ――――……」

 顎を捕られて、引き寄せられて、ぺろ、と舐められる。


「…………っ」

 恥ずかしすぎて固まってると、玲央は、クス、と笑って。
 そのまま、キスされる。

 柔らかい、ゆっくりなキス。
 少しだけ入った舌が、オレの舌に触れて、しばらく絡んで。
 その内、離れた。

 なんとなく。離れてしまった唇を、じっと、見つめてると。

「もっと?」
「――――……」

 は、と気付いて、少し首を横に振るけど。ちゅ、とまたキスしてくれた。


「……すぐそーいう顔するよな……」
「……そういう……?」

「んー…… うっとりした顔? 可愛いよな……」

 ふ、と笑って、頬をすり、と撫でてくる玲央。


「――――……ピザ味のキスは初めてしたかも」

 よしよし、と撫でられて、そんな風に言われる。
 なんだかものすごく恥ずかしくて、黙ってると。


「……クリスマス、2人でするの、初めて?」

 そう、聞かれた。


「うん。オレ、誰かと付き合うの初めてだし」
「そうだよな」


 ――――……玲央は、初めてじゃないよね……。
 まあ当然だけど。
 聞くまでもないなぁと思ってると。


「――――……オレも初めて。2人きりは」
「え?」

 ……初めてなの?

 玲央を見上げると。


「皆でパーティって方が楽で、ずっとそうしてたからな……」
「――――……そうなんだ」

「2人でこんな風にしたいと思ったの、初めてだし」
「――――……」

「……こんなに準備するとか、らしくなさすぎて、ちょっと笑える」
「……オレは。すっごく、嬉しいけど」


 思うままを伝えたら。
 一瞬黙った玲央が、ぷ、と笑う。


「――――……お前はさー……」
「……う、わわ……」


 なんだかものすごくうまく抱き込まれて、あっという間にラグの上に倒されて、玲央に組み敷かれてて。

「――――……」

 上から、じっと見つめられる。

 

 クリスマスツリーのライトが綺麗で。
 何だかいつもと違う風に、玲央が。

 ……いつもよりもさらにカッコよく、見えて。

 


 心臓が。苦しい。 

 

 

 

 

(2021/12/25)
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明日続きのせます♡ 一日おくちゃいますが💦