「恋なんかじゃない」 クリスマスSS 3/3♡

 

 目が覚めたらベッドの上に居た。
 玲央が、隣でオレを抱き締めたまま、眠ってて。

 

 あれ。いつ運ばれたんだろう、なんて思うけど。
 なんか、よく思い出せない。

 慣らされて。ゆっくり、入って来た玲央が。
 わざと時間をかけて、オレに、もっとしてって、言わせて。

 めちゃくちゃに気持ちよくなっちゃって、思い出したくない位、おかしくなりながら求めたら。

 そこからいきなり激しくされて。
 ――――……あとはもう。 気持ちいい、しか無くて。
 ……ほんとにもう、気持ち良すぎて。

 そのまま。ふうって、どこかいっちゃいそうで。
 なのに、玲央は全然離してくれなくて。

 ……とか言うオレも、離してほしくはなくて。

 

 …………やっぱり、ベッドに来たのがいつか、思い出せない。
 ちょっと激しすぎて、思い出すと、羞恥で死にそうになるので。

 このまま、忘れよう……。

 思わずしかめ面になりながらそう決めて、よし、と玲央にすり寄って寝ようと思ったら。クスクス笑う玲央に、ぎゅー、と抱き締められた。


「あれ? 起こしちゃった?」
「オレ、寝てなかったから。優月がぴくぴくしだして起きそうだから目をつむってみただけ」
「ずっと起きてたの?」

「お前が落ちてから、1時間位しか経ってないよ」
「……ずっとそのまま?」

「お前のことは、拭いたけど?」

 クスクス笑う玲央に、「あ、また……ごめんね」というと、「イイよ、いつもの事だし」とまた笑われる。


「拭いた後は、顔見てた」

 その言葉に、え、と見上げると、玲央はクス、と優しく瞳を緩めて、見つめ返してくる。


「……少し前まで死ぬほどエロいのに、めちゃくちゃ無邪気だからさー。ギャップが可愛くて、ずーっと見ちゃうんだよな……」

「………………っ」

「……起きた後は困った顔して悩んでるし。……ほんと面白ぇな、優月」

 また、ぎゅ、と抱き締められる。


「何悩んでた?」
「……ベッドにいつ、来たのかなあって」

「ああ――――……覚えてないのか、お前」

 抱き締めてる玲央の体が、少しだけ、優しく揺れる。

「……ソファで、ちょっとトんじゃったんだよ。ぐったりして、呼んでも返事なくて。まだ途中だったし。抱き上げて、ベッドに連れてきてる間に戻ったから、すぐ続きしたけど」
「――――……っ……」

 ……うん……思い出せなくて良かった。
 恥ずかしくて死ぬとこだった。

 ただでさえ。
 なんか色んな事言わされたのに……。

 顔、熱いな……。


「また真っ赤んなってるだろ」
「――――……」

 胸の中なのに、なぜ……。
 返事もできないでいるのにもう、オレが真っ赤なのは確定しているみたいで。

「触ってるとこが熱い」

 クスクス笑われる。

 そのまましばらく、抱き締められていたら。
 玲央が、ふと。

「――――……ケーキ……明日、皆でクリスマスする? したいなら、聞いてみるけど」
「勇紀達?」
「ん」
「うん、聞いてみよ」

 皆とパーティ、楽しそう。


「食べきれないしな、あれ」
「うん。すっごく大きいもんね」

「まあ……ちょっとフォークで、つついちゃったけどな」

 ふ、と笑う玲央に。

 ……ケーキを挟んでのキスを思い出して、また固まっていると。

「……? 優月?」

 オレの顔を上げようとしたのか、頬に触れられて。
 ぴく、と玲央の動きが止まる。

「……また熱いし。何?」
「……フォークで……ケーキ……」

「――――……うん。ああ、キスした?」

 クスクス笑う。


「……玲央、って……なんで恥ずかしくないの?」
「――――……さあ」

「慣れてるから……? オレも慣れれば、恥ずかしくなくなるのかな?」

 むー、でも慣れるまでに心臓がすごい大変そうなんだけど……。


 なんて思ってた時。
 体勢を変えられて、ひょい、と玲央の上に抱き上げられてしまった。
 下から、玲央に見上げられてる感じ。


「玲央……?」
「――――……」

 そっと、手を頬に置かれる。

「オレ……あんな風な事すんの、優月が初めてだけど」
「――――……」

「食べてる時にキスしたり、食べさせたり? したことないよ」
「――――……」

「だから、慣れてないし」
「――――……」


「……こんな風な体勢で抱き締めるとかも、慣れてないよ」


 まっすぐ見つめられて。
 ああもう……。

 鼓動が激しすぎて、体の奥の方がきゅー、と締め付けられすぎて。

 

「…………好き、玲央」


 言うと。
 玲央が瞳をめちゃくちゃ優しくするので。

 引き寄せられるみたいに。

 キスした。


 今度は。触れるだけ、みたいな優しいキスを。何度も返してくれて。
 頬や額にも、キスされて。

 
 それから、両腕で、むぎゅ、と抱き締められて、玲央の上に寝かされた。

 

「――――……慣れてる事もあるけど…… 付き合って、2人ですることとかは…… 多分ほとんど、慣れてないし」
「――――……」

「……慣れてても、優月とするのは初めてだから全然違うし」
「――――……」

 

「全部、結構ドキドキしながら楽しんでるし」
「玲央、ドキドキしたりするの?」

 思わず、少しだけ顔を上げて、玲央を見ると。
 

「……当たり前だろ。すげー好きだし」


 またむぎゅ、と抱き締められる。


「――――……」


 ……あ。
 ――――……ちょっと。

 今。ドキドキ、してるかも。玲央。


 くっついてる裸の胸から、少し早い鼓動が伝わってくる。
 なんて思ったら。余計ドキドキしてきて。


 髪に触れてる玲央の顔に。
 何となく、すり、とすり寄って。

 そしたら、ふ、と笑った気配がして。
 玲央が肩が出てたオレに、布団をすっぽりかぶせてきて、抱き締め直す。

 

「寝るか?」
「ん」


「明日な。……おやすみ、優月」

「――――……うん。おやすみ、玲央」

 

 額にキスされて。瞳を閉じて。
 そのまま眠りについた。

 


 玲央と初めて過ごすクリスマスは、静かで。


 ――――……なんだかほんとに。すごく、幸せだった。
 


 

 

 

 

(2021/12/27)

最初1ページくらいのつもりで書き始めたのに。どんどん長くなって。
遅れちゃいましたが♡
イチャイチャXmas楽しんで頂けましたか~(⌒∇⌒?

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