完結しました「月齢15.3」
「月齢15.3」の最後の更新をいたしました。
https://fujossy.jp/books/27198/
連載開始から毎日更新、本日公開の第11話をもって完結です。
11日間ありがとうございました。
また、「完結してから読む派」の方はお待たせいたしました。
この作品を最初に公開したのは去年の12月。
webイベント用としてダウンロード版を制作しました。
その後コピー本版も作り、4月のJ.Gardenに持って行き、BOOTHにも置きました。(今も置いてあります)
当初から後日無料公開するつもりではいました。
が、「この8月に公開したい」と思ったのは7月になってからです。
購入していただいた方のことを思うと、無料にするのは少し早いかも……と思わなくはなかったのですが、異常な暑さの続く中、ふと思ったのです。
日航機の墜落事故があり、終戦を迎えた8月。平和や空の安全を考える機会が多くなります。
また、この話のモチーフとなった事件は9月1日に起きました。
ああ、8月だな。8月に公開しよう。
そして、死んだ人の魂が戻ってくる頃に終わるようにしよう。
そう思って逆算した日から連載を始めました。
ほとんど甘さのないお話ですが、私はこれを救済の物語として書きました。
ダウンロード版を読んでくださった方から「脩吾の行動を理解できない」という感想もいただいたことがあります。ですよねえ、と思います。
彼らは二人とも孤独な人間、というか孤独を自覚していた人間です。
脩吾はそれでも前向きに自分のなすべきことをして、他者と関わろうとするタイプです。ただ、性善説の人ではない。むしろ性悪説だからこそ、ある種の使命感を持って自己犠牲を払うし、それによって自己の存在意義を感じている人です。
望海は自己の孤独にぼんやりと絶望しているタイプです。あまり自分を大切にしていない。しかもそうしてきた時間が長すぎて絶望している自分に気づいていません。
乱暴な言い方をすると、二人とも「ゆるやかな希死念慮」を持っているという共通項があり、それが二人を繋いでいます。
で、そのことに先に気づいたのが脩吾だった。
この話は、そういう話なんですよ。(わ か り に く い)