「二人のグラデーション」―最終章を再構築しました―

 いつも拙作を読んでいただき、ありがとうございます。

 

 タイトルのとおり、「二人のグラデーション」の最終章を再構築して本日公開しました。

 

 これまで公開していたのは、場面の展開が不自然だったのと、エンディングがファンタジーになってしまったのとで、個人的にしっくり来ていませんでした。そのため、順番を入れ替えて新しい場面を書き足し、エンディングを変えています。

 

 その代わり、以前の内容で気に入っていた司の答辞と刀の祝辞はボツになってしまいました。なので、ここに残しておきたいと思います。二人のそれぞれに対する想いが実感できるのではないでしょうか。

 

 司の答辞

 

「……この一年間、僕は多くのことを学びました。そこで、教科書の正解だけが、人生のすべてじゃないことを知りました。

 

 時として、自分の色を見失い、苦しむことがあります。僕もかつては、自分の役割を決めつけて、周囲の期待という名の檻に囚われていた時期がありました。

 

 そんな僕を救ってくれたのは、誰よりも人間らしく、泥臭いまでの情熱を持った熊谷先生との出会いでした。

 

 たとえ、目の前に複雑な影が落ちようとも、他者からの支配や誘惑に心が折れそうになっても、僕は、その不完全なグラデーションさえ自分の色として受け入れる強さを学びました。

 

 これから僕は、新しい世界へと踏み出します。まだ知られていない才能を見出し、守り、支え、世に送り出すこと。それが僕の一生をかけた使命であると確信しています。

 

 これから離れ離れになっても、心に刻まれた色の温もりは消えません 。僕たちのキャンバスに、熊谷先生と二人だけの未来を描き続けていくことを、ここに誓います。

 

 卒業生代表 弓岡 司」

 

 刀の祝辞

 

「……司、卒業おめでとう。今まで、よく頑張ったな。

 

 俺はこの一年、司と向き合う中で、いろんなことを学んだ気がするよ。時には自分がいかに不完全で、未熟であるかを痛感させられたな。それでも俺を見捨てず、そばにいてくれたことを感謝している。

 

 これから、司の前には果てしない未来が広がっている。どうか悔いのないように自分が歩きたい道を選んで欲しい。俺はどこまでもついて行くから。司が染まろうとする色を、俺は信じているよ。

 

 今日で教師と生徒という関係は終わるけど、これは俺たちの新たな始まりだ。

 

 俺の目に映る司が、いつまでも輝き続けますように。

 

 美術教師 熊谷 刀」

 

 これで心置きなく再構築した方を公開できます。すでに前の方を読まれていた皆様は、こんな話だったと自分だけの記憶に留めていただけたら幸いです。よろしかったらリアクションやコメントを下さいね。執筆の励みになります。