ツーリスト 2
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ツーリスト 2
カウンター越しに歩いてくる彼を見つけ、走り寄って抱きしめたいのをぐっと我慢した。
そんなことをしたら、頬を染めて綺麗な眦を尖らすに決まってる。
だから、軽く手を上げて挨拶するのに留めた。
「 早かった? 」
「 ああ、待ちきれなくて 」
クスッと微笑んだ彼もきちんと
四日分の着替えは入りそうなスーツケースに荷物を詰めてる。
いつもは小さめのバックで軽装な姿しか見たことなかった。
そんなことすら旅への期待を語ってる。
カウンターでチケットを受け取り、スーツケースを預ける。
「 出国審査もう入る? 」
「 うん、飛行機眺めたい 」
可愛いことを言う君をもう一度抱きしめたくなった。