ツーリスト 7

ツーリスト 7

映画をみだして静かになった隣。
やっと解放されて、
トイレに行くふりをし前の席を覗くと、窓側に頭を傾けて寝ている?
名前を小さく呼ぶと、
隣の男性が胡乱げに俺を見やる。

軽く睨みつけると俺の眼をしっかりと見返して、
彼の腕に手をかけた。
なんであんたが触るんだ。

彼の形の良い耳に顔を近づけて、
何か声をかけている。

いつも寝起きの悪い彼は、窓側から男性の肩に首を傾けた。

ぜったいに俺が隣にいると思ってるだろ!