新着レビュー

【過負荷】破壊と再構築を繰り返したその先は?
冒頭は、記憶の失くした男が目覚めるところから始まるのだが、非常に掴みが上手くて、ぐいぐいと物語に引き込まれてしまった。 ノンケであるはずの男は、記憶をロストしている間に、どうやらバンド仲間の「彼」と爛れた関係に発展してしまったらしいのだ。 そして、驚くことに、美男子の彼には、蠱惑的な妻までもいて、彼等の関係を容認しているようなのだ。あまりにもインモラルな状況に、常識的である私たち(読者)は困惑してしまうかもしれない。 けれど、バンド仲間の彼にも一言では言い表せない複雑な事情があるのだと、後に知ることとなる。 必然的で依存的。痛々しくて官能的。 皮肉なことに、この苦痛こそが彼を輝かせているのである。 この物語では、登場人物たちの絶妙なバランスで成り立つギリギリの日常が描かれる。ピースが1つでも欠けてしまえば、この日常は呆気なく崩れ去ってしまうだろう。 記憶を失う者、心を磨り減らす者。 何度も繰り返される二人の関係の破壊と再構築。 「愛」と呼ぶには、あまりにも破滅的で閉塞的。しかし、その危うく、息苦しい関係だからこそ、私には尊く思え、酷く惹き付けられてしまったのだ。
いびつな恋の檻の中のレビュー
昨日コメントを挙げた者です。ユーザー登録をしましたので、もうちょっと・・。今後の作品の中にこういう登場人物を使っていただけないかなぁ~と思いまして。長らくBL作品を手に取っていて、当初から「?」と思っていることがあるんです。上手く書けるか自信がないですが・・。BL作品の中に女性蔑視と感じさせる言葉遣いが多々見られます。「女みたい」「メスいき」がそれですね・・。それを見るたび「あんたたち、そんな女性のお腹の中でなければ大きくなれなかったくせに」と思う訳です。生きとし生けるものすべてが「女」或いは「メス」のおかげで存在していますからね。もう1つ「犬」「豚」という生物に関しての蔑視思考です。私たちはたまたま「人」として生まれましたけれど生物に上下関係はありえません。(あくまで私見です)勿論、地球上で一番の知的生物である私たち人間が、例えばペットとして犬を飼う事になれば人間社会で上手く生きられるように躾を施したりしますが、それはたまたま地球が「人間社会」で成り立っているからですね。豚にしてもそうです、私達が生きる糧にしているだけの話しです。こういう思考を持ち合わせている男の子を、BL作品の中で見たことがありません。是非「人間至上主義」「男性至上主義」でないのに「攻め」というキャラクターを書いていただきたいです。