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第12話

「お待たせ!」 見慣れたシルエットに話しかけると光輝は笑った。 「今五分前、待ってないよ。」 楽しみだから早く来ちゃった、と言う光輝に期待してはいけない、楽しみなのは遊ぶことだと自分に言い聞かせる。 「行くか。」 「うん。」 いつも通り、お洒落な服装の光輝。 ーーモテそう。 チケットを使ってゲートを通ると、そこにはもう夢の国だ。 「うーん!やっぱいいよなぁ。」 満足そうな呟きに優は相槌をうつ。 「ふふ、光輝好きだよね。」 「おう。」 地図を見て乗りたいものの場所まで行く。 「やっぱ並んでるね。」 休日程ではないがかなり人が並んでいる。 「これも醍醐味。」 そう言う光輝は本当に楽しそうだ。 ・・・ 「やばかったな・・・」 幾つか気になるアトラクションに乗ってから新しく出来たジェットコースターに乗ると、想像以上の衝撃で優と光輝は二人して予想外のダメージを受けた。 「予想以上にえぐかったよ。」 口元を押さえて優が言うと光輝が俺も、と同意した。 「そろそろお昼にしない?休みたい。」 「おう。」 適当な店に入って食事をとると、食後だということもありあまりハードではない乗り物に乗る。 「優って基本的に絶叫系そんな好きじゃないのに、水系異様にすきだよな。」 優の好きな水系の絶叫マシンの列に並んでいると、光輝が言った。 「他のもの嫌いじゃないよ、でも水系は地に着いてるから安心感がある。光輝は縦揺れ得意だよね。」 「おう、シンプルだけど面白い。」 光輝らしい回答だ。 昔から光輝は変わらない、至ってシンプルで好感が持てる。 「あ、次だぞ。」 光輝の声に前を向くとカートが到着したところだった。

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