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第13話

「光輝、買いすぎじゃないかな。」 観覧車の向かいの席に座る光輝に控えめに言ってみると本人もそう思っていたらしく、光輝は苦笑する。 「じゃあ今日の記念に優が一個貰って。」 ごそごそと袋からストラップを取り出すと光輝は優に握らせた。 「ありがとう。」 黒猫が青い星を持っているシンプルで可愛いストラップは優の好みで、更に光輝からのプレゼントということもあって思わず小さくガッツポーズをとる。 「俺とお揃いだから、大事にしろよ。」 こつんと額を弾くように当てられた指に視線を向けるとあほ面、と言いながら光輝は楽しそうに笑った。 ーーなんか、恋人みたいだ。 決してそうなることはない筈なのにもしかしたらと懲りない自分がいることも事実で、今日ぐらい勘違いしても許されるだろうかと考えた。 「また、来ような。」 そう言った光輝のポケットから覗く携帯電話から緑の星を持った黒猫が揺れる。 「うん、楽しみにしとく。」 心はいっぱいなのにどこか名残惜しいまま帰路に着く。 優の携帯電話の青い星を持った黒猫が楽しげに揺れていた。

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