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差違

やけに色っぽい仕草で眼鏡を外した新の焦茶色の瞳に熱が帯びる。 欲情を顕にした「男」の顔をする新に、遥翔はゴクリと生唾を飲み込んだ。 いつもの優しい眼差しは面影すらない。 ゆっくりと顔が近づいてくると、唇が触れる寸前で止まる。 「口、開けて…?」 「あ……ん、ぅ」 要求に従ったわけではなく言葉を発するために開けた口に、隙を逃さず舌が侵入してくる。 「んっ、ん……はっ、あら、た……っ、待っ……ンッ!」 「待たない。ん、は……っ、ほら、んっ、ちゃんと……口、ん、開けて。」 「ぁ……ん、はぁ…っ」 噛みつかれるように激しく口付けられ、舌で歯列をなぞられ、呼吸のタイミングがわからなくなる。 何度も角度を変えながら舌を吸われる。 唇が少し離れるたび、ちゅっ、と濡れた音がするのが恥ずかしくてたまらない。 こんな執拗なキスは初めてで、酸素を求めて口を開けば、新の舌が咥内を掻き回してくる。 「ンッ、あ……や、ぁ……っ、んん、ふ、ぁ…っ、はぁ…っ」 自分のものとは思えない高く甘ったるい嬌声が洩れる。 口を塞ぎたくても、新の舌がそれを許してくれない。 どちらのものかもわからない唾液が口端から伝い落ちる。 「……ハルの声、可愛い……。もっと聞きたい…。ここ、舐めてあげるね。」 「や、だ……アッ!や、新!そこ、や、だぁ…っ!」 咥内を暴れ回った舌が、今度は右耳を攻める。 耳の輪郭を丁寧になぞられ、耳朶を唇で食まれ、散々焦らした後に耳の孔に舌先を出し入れされるのと同時に左耳は指で擽られ続けた。 「も、耳、やだ……っ!舐め、んなよぉ…っ」 擽ったいのと、鼓膜にダイレクトに響くピチャピチャといういやらしい水音と、普段の新からは想像も出来ないギャップに、遥翔の中心にどんどん熱が集まっていく。 「やっぱり耳、弱いね…?ハルは昔から耳かき擽ったいって苦手だったもんね。」 「ふあ、あ…っ!」 楽しそうな声が鼓膜を震わせると、フーッと耳に息を吹きかけられ、全身がゾワゾワと粟立つ。 休む事なく与えられ続ける快感に息が上がり、頭がクラクラしてきた。 「ふふ、キスと耳弄っただけなのに、もうそんなにトロトロの顔しちゃうんだ…?まだまだこれからだよ?もっともっと、気持ちイイことしてあげるからね…?」 「な、に……?ん……あっ…!」 首筋をキツく吸われ、ピリッとした痛みが走る。 「……ん、キレイについた。…もっと、身体中に印つけたい。服、脱がすよ。腕上げて?」 「ん……。」 思考力が落ち始めた遥翔は、新の言葉に素直に腕を上げると薄手のニットだけ脱がされる。 インナーも脱がされるのだろうと待ってみるが、脱がす気配はない。 「……新……?」 「ハル、乳首立ってる…。部屋が寒かったかな。それとも、さっきので感じちゃった…?」 「っ!」 服の上から乳首を指先で撫でられると、反射的に体がビクリと跳ねる。 「固くなってる。ほら、コリコリって…。」 「ンッ、や、ちょ…新…!」 撫でられると服が擦れてザラザラとした感触が、敏感になった乳首を刺激する。 「ハルの乳首ってちっちゃくて可愛いんだよね。服の上からだとちょっと摘みにくいかな…。」 シャツを捲り上げられると、ヒヤリとした外気に思わず身震いする。 「寒い?もう少しで部屋あったかくなるから、もうちょっと我慢して。……でも大丈夫じゃないかな、すぐ、熱くなるし…。」 「……アッ!あ、ぁ……っ!」 ジュッ、と音を立てながら左の乳首を強く吸われる。 さっきの耳と同様、反対の乳首は指で円を描くように転がされたり、押しつぶされたかと思えばキュッと摘まれたり、指先で弾かれたりし、吸われた乳首のほうは舌が指の代わりを務めていた。

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