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1ターン目

長い沈黙の後、カイル団長が大きく息を吐いた。 「……起きてしまった事は止められない……俺がしてやれることは……優しくしてやることぐらいか……」 団長の手が伸びてきて、思わず身がすくむが、優しい仕草で床に寝かせられた。 「カイル団長……?」 団長の真意が読めずに困惑する。 「そのローブには呪いが掛かっていて、家に持ち帰り対処する筈だったんだ……俺へ対する如何わしい気に反応して発動するんだが……まさかリムに掛かるとは……呪いの書き換えも解除も出来ないしな……」 団長への如何わしい気持ち……全てバレてしまっている。 呪い……自分の罪が重くのし掛かった。 「カイル団長……申し訳ありませんでした。処分は謹んでお受け致します」 「謝るのは俺の方だ。恐らくサイラスの策略だろうが、管理が行き届いていなかった俺の責任だ……君は呪いに囚われた……これから先の地獄を君は一人で立ち向かわなければならない」 呪いとはどんな呪いなのだろうか。 呪いの内容は気になるが、柔らかい、いつもの団長の口調。 心配そうな瞳に見つめられ、頬を優しく撫でられて……場違いに喜びを感じている。 夢……を見ているのだろうか? 「リム……愛しているよ……せめて、俺から始めさせてくれるか?」 柔らかな唇が俺の唇と重ねられた。 「俺はここで待つことしか出来ない……乗り越えて来てくれ……」 団長の指が先程までサイラス隊長の指で解されていた場所へ入り込む。 異物感はあるが、嫌悪感は全く無くて……団長に触れられているという喜びだけが胸を占める。 「あ……あぁ……カイル……団長……汚いです」 優しい指が俺の反応を探る様にゆっくりと中を解きほぐしていく。 「リムの体にサイラスが先に触れただなんて……許しがたいな」 自分の都合の良い幻でも見ているのかもしれない。 地獄からいきなり、天国へと引き上げられた。 「ずっと好きだった。大切に守っているつもりだったのに……サイラスの事も信用していたんだが……ごめんな……リム」 幻でも夢でも良い……憧れの人の甘い言葉に心の猛りを抑える事など出来ない。 「ああ……あぁっ……俺…も……カイル団長が……好きです……は、あぁ」 「リム……これから起こることで、俺の事を嫌いにならないでくれ」 これから起こること……? ……何が起きても団長を嫌いになるなんて……。 熱いモノがお尻にあたる。 団長の……団長のモノが……。 俺…団長に抱いて貰える? 期待でバクバクと痛いほど胸が高鳴る。 ゆっくりと肉を押し広げながら団長のモノが入り込んできた。 「くっ!ううぅ……うああぁぁ……」 ゾワゾワと中をかきあげていく刺激に身が固くなる。 「力を抜いて……泣かないで……リム。好きだ……好きだよ」 冷や汗と涙でビチャビチャで張り付いた髪を優しくすいてくれる。 「はっ……はぁ…あぅぅ………」 力を抜くように努め、押し込まれるモノの圧迫感に耐えた。 肌と肌が密着して、団長の動きが止まる。 「よく頑張ってくれたね……リム……全部入ったよ」 強く抱き締められて、胸が締め付けられる様に歓喜する。 「全部……俺の中に……団長のモノが入っている……もう死んでも良いかも……」 動かずに俺の中を馴染ませる様に優しいキスの雨を降らせてれる団長の温もりに包まれて、今が俺の人生の絶頂だと思う。 「……死んだ方がマシだと思うかもしれない……でも、忘れないで……俺はお前が好きだ。待っているから、戻って来てくれ」 悲しそうな……憤りの無い怒りを込めた様な複雑な表情を向けられる。 「ん…呪いって……あぁ……何なんです…か……」 体が勝手に俺の中にある団長のモノから快感を拾い始めると、団長の腰が少しづつ動き始めた。 「恐ろしく、口に出すのも嫌なぐらい厭らしい呪いだ……」 「あ…あ…あぅ……ん……」 次第に早くなる律動に俺の口からは嬌声が漏れて、それに呼応するように動きが激しくなる。 「あ、あ、あ、あっ!!団長!好き!好きです!」 呪いの事など霧散して、団長への思いが溢れかえる。 入団する前から……魔法学校に入学した時からずっと憧れていた。 当時、生徒会長をしていた団長が挨拶の時にデモンストレーションで魔法を見せてくれた。 その華麗な姿に心を奪われて、ずっと夢を見ていた黒の魔導士団に入団が決まった時は街中を奇声を上げながら走り回りたい衝動に襲われたものだ。 その憧れの人が、俺を見て、俺の事を犯してくれている。 「俺がリムを愛していると言うことだけは忘れないで……100回廻るか、1日を終えるか……」 「はぁっ、はぁっ……??ああぁっ!!」 何の事だろう? 疑問を口に出す前に、激しく腰を打ち付けられて、脳がチリチリと痺れる。 ギュッと抱き締められて、体内に団長の温かい熱を感じた。 「……リム……無事を祈る……必ず帰っておいで……」 周りの風景が白く染まっていく……。 真っ白な世界の中に、俺の意識も溶けていった……。

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