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7ターン目
……これから図書館へは、なるべく1人で行かない様にしよう……。
そんな決意と共に体を起こす。
連絡をして休みをとっても呪いの作用で誰かしらが訪ねて来そうだし、立ち向かって行くしかない……。
職場へ向かいながら、何度目かのキースの話を聞きながら人と視線を合わせない事に慣れて来ているな……と思う。
呪いが解けて普通に戻れるのだろうか……。
呪いが解けても人を信用できずに目も合わせられなくなっていそうだな。
キースと別れ、ミランと共に演習場へ向かう。
さっさと捕まってしまえば、二人きりになる状況は無くなるだろうか?
ミランの友人のレーンと三人で行動をする事になった。
三人で入れば二人きりになる状況は少ない。
安全かもしれない。
「リム、今日は全力で行けよ?」
「え?いつも全力だけど……」
「リムさんが魔力を全開に出来ないのは周囲への被害を考えてしまうからだと思いますよ。コントロール出来ないのも無意識に相手を傷つけるのを恐がっているんだと思います」
ミランの言葉を後押しする様にレーンさんも妙に説得力のある言葉で続ける。
「買いかぶりすぎですよ……」
「いやいや、レーンは元々教官志望でさ、人の資質を見るのに長けてるんだ。そのレーンがこう言ってんだ。恐がらずに全力で魔法を使って見ろよ。相手は実戦で鍛えた先輩達だお前が本気出したところで死にはしないさ」
「そうですよ。自分の力を恐がらずに少しづつ解放してみてください」
「う〜ん……努力はしてみます……」
もしかしてミラン……俺がいつも落ちこぼれだとぼやいてるからレーンさんと会わせてくれたのかな?
森の中に身を潜め、先輩達を迎え撃つ準備を進める。
演習開始の合図の狼煙が上がり、緊張感が高まる。
開始早々、いろいろな方角から爆発音が聞こえる。
ごくりと唾を飲み込む。
「リムさん、落ち着いて下さいね。相手を良く見て……」
「……来たぞ!!」
ミランの声と共に氷の刃が無数に飛んで来る。
それを炎の壁でガードすると、レーンさんが先輩達の足元の地面を泥に変えて足止めをするとミランが雷の矢を放った。
矢は岩壁で防御され、俺に向かって拳に炎を纏った先輩が飛び込んで来た。
水魔法で吹き飛ばそうとして……俺の出した魔法は先輩の手の炎を消す程度に終わり、そのまま殴られマウントを取られた。
「誰かと思えば団長達の性玩具か……」
先輩達の蔑んだ目が見下ろして来る。
「離れた方が良いんじゃねぇ?団長達に知られたら減給されるかもしれねぇぞ」
「はは…意外に皆で使えって差し出してもらえるかもよ?」
「団長はそんな人じゃない……勝手な事を……!」
睨みつけると生意気だと殴られそうになったのをミランが止めてくれた。
「やめろ、演習はイジメの場じゃない……」
「はん、第三隊隊長殿のご子息か……親にイジメられたと泣きつくか?」
「この腐った因習を無くす為ならそれもいいな……」
先輩とミランの間に禍々しい魔力が渦巻く……怪我人が出そうだ……どう収めよう……。
いきなり洪水の様に水が押し寄せ、俺とミランの体は木の枝が巻き付き木の上まで持ち上げられたが、先輩達は流されていった。
「もぉ……助けに入ったミランまで熱くなってどうするんですか」
「すまん、助かった……」
「ありがとうございます。レーンさん」
にっこり微笑まれ、穏やかで強くて……。
俺もこんな風になりたいなぁ……。
以前団長に体を売って入団したと噂になった事を、団長に謝った事があった。
『気にするな。お前の実力を知ればそんなことを言うやつもいなくなるさ』
団長はそう言って笑い飛ばしたが、その俺の実力とやらはいまだ出てきていない。
レーンさんの様に強くて、観察眼もあって、思慮深くて……。
俺がそんな人間だったら団長に悪い噂もたたなかったのにな………。
その後もミランとレーンさんに助けられ、演習を何とかのりきる事が出来た。
満身創痍で塔へ戻ると、詰め所前に何やら人だかりが出来てざわついている。
「何か有ったみたいですね……」
「親父に聞いて来る……」
そういうとミランは人混みの中へ消えていった。
暫くして戻ってきたミランによると………
「……どうやら侵入者がいたらしい。団長がすぐに対応して事無きは得たらしいが、結構厄介なヤツらしいな……」
侵入者……そんな騒ぎがあったんだ……。
今まで気付かなかった……最初の時も確か始末書を書く為、早々に反省室に閉じこめられていたしな。
……あれ?侵入者?
すっかり忘れていたけど……ゴルゾーラカウと結界破ってた人……。
顔からサァーと血の気がひく。
大丈夫……どうせ俺が前もって言っても誰も信じてくれないし、俺が疑われるだけだし……進言しなかった事への言い訳を自分に言い聞かせた。
「何か、団長が呪いにかけられかけたらしい」
呪い……まさか俺の呪いの根源か?
見たいと思ったが、もうここにはいないらしい。
呪いの掛かったローブ……それを調べれば呪い返しの方法が分かるかも……。
団長に……言っても貸してくれる訳ないよな。
どうしよう……団長に全てを話して相談するか?
でも、出来れば知られたくない……。
悶々としながら終業時間の間際、上司の詰め所を訪ねた。
ノックをするとサイラス隊長一人、団長達は騎士団の方へ行ってそのまま帰ってしまうらしい。
……この人は危険だ……目線を会わさぬ様に注意しながら立ち去ろうとしたが……
「わざわざ罠を用意する手間が省けたな……」
腕を掴まれ部屋の中へ引きずり込まれる。
サイラス隊長の手には団長のローブが握られていた。
「サイラス隊長……何で貴方が団長のローブを……」
「これは、脱獄犯が呪いをかけてな……団長に思いを寄せる者を引き寄せて呪いをかけるらしい……どうだ?お前には効果があるだろう」
顔に団長のローブを押し付けられる。
団長の匂いと……甘く痺れる様な匂い……。
「あ………」
ドクン、ドクンと胸の鼓動が大きくなり……体の中心に熱が集まる。
膝がガクガクと振るえ力が入らない。
「ははっ!!呪いは本当だな!カイルのガキに一泡吹かせてやろうかとお前を待っていたんだよ!!」
奥の部屋へ押し込まれ、服を剥ぎ取られて勃ち上がったモノを握られた。
「…な…何で…こんな事?」
「何で?あいつがいなければ、団長の座は俺の物だったんだ!!俺の方が強いんだ!!それをあんなガキに良い様に扱われるなんて我慢できん!!」
出世欲に縛られているのか……カイル団長がいなくてもこんな人、団長になれる訳がない。
「いぁっ!!」
前触れも無く孔に指が差し入れられた。
グリグリと中をかき混ぜて来る。
「だから……あいつの大事な物を奪ってやろうかと思ってさ……」
ベロリと唇を舐められる。
いつの間にか、そのギラギラした瞳には炎が宿っていた。
後ろ手に腕を縛られて、後ろからサイラス隊長のモノが容赦なく俺の孔を穿ってくる。
「ひっ!あぁ!あ、あ、あ、あぁんっ!!」
嫌なのに、拒絶したいのに、下に敷かれた団長のローブから香る匂いのせいで疼く体は、サイラス隊長から与えられる刺激に悦びを感じて、突かれる度に俺のモノからは透明な液体を飛ばしている。
足元には白濁した液体が団長のローブを汚している。
何度啼かされ、何度達かされたか……出しても、出しても、ローブからの匂いに反応して勃ち上がる。
「淫乱だなぁ!!リム!!自分のローブの上で大切にしていた奴が犯され、達きまくって精液垂れ流している姿をみたらあいつはどんな顔をしただろうなぁ?あぁ……呼び戻せばよかったなぁ……」
どこまでゲスなんだ……。
こんな人を隊長として慕っていたなんて……。
その時、隣の部屋に人の気配がした……この気配は……。
「団長……」
涙が……溢れた。
助けてほしい………。
でもこんな姿、見られたくない。
来ないで……来ないで……来ないで………!!
サイラス隊長に揺さぶられながら、自分で口を押さえ必死に祈った。
「いいタイミングだな、お前が汚された姿を見てもらおうじゃないか……いっぱい中に出してやるな?」
「ぅんんんっ!!!」
律動が激しくなり、サイラス隊長のモノが中に放たれた。
ぼんやりした頭にガチャガチャとノブを回す音が聞こえる。
間に合ってよかった……見られなくて……すんだ。
静かに目を閉じて、真っ白な世界を落ちていった。
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