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地獄のヴァレンタイン 翌日III

「 おい!なんか言うことないの? お、俺が昨日どんなに!」 ふと振り返った肌色のエプロンをした男。 わ、なんか艶かしい。 なんで肌色のエプロン? あ、でも俊の大事なところ見えない……残念、 「 いや!話が先だ 」 「 なんなんですか? 独り言の連続ですね …… ヒロシさん、今から説明しますから、そんなに気を昂らせないで。 いいですか? 勿論我が社は義理チョコは禁止です。 というか、そんなことに気をやる人は願い下げですね 」 何喋ってんの、俊は? 「 14日に会う人のみ、 前日や前には受け取らないと宣言。 おまけに本命はいるから本命チョコいらないとも宣言しました。 その上で、フェアトレードのチョコしか受け付けない 。 それでもくれた人たちには 倍返しですよ。 それで、チョコはこの量に収まった 」 と丸裸エプロンの俊がキッチンに入りそれに従いて入った俺の目の前に出してきたのは鍋だった。 俊の片手には熱そうな湯気を立てる鍋。 そういえば部屋に入った時、甘いチョコの香りが部屋中に充満してた。 そして、もう一方の手には、 「 あれ!それ!俺の! この間の…… 」 絶句した俺に俊はその型を振ってみせる。

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