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チョコレート地獄

VI チョコレート地獄 いつものベッドなのに…… 横たえられた肌に違和感が伝わる。 「 なに?」 「 ああ、 」 俺の唇を熱い舌で掃きながら、なにの続きを言おうと開けた口に強引なほど強く舌を差し込んだ俊。 歯の裏側から口蓋の隅々まで唾液を絡めた舌で探り飽くと、 「 すごく汚れそうだからラバーのシーツを下に敷いてる 」 と耳たぶを軽く齧りながら耳孔にそんな言葉を流し込む。 唇はそのまま喉仏を辿り鎖骨をついばむと、 胸骨に沿ってそのラインを舌で舐めあげる。 乳輪の周りを軽くノックするように舌で突くと、 焦れた声を待って、濃い橙色に染まる乳首を一気に強く咥えた。 固くしこったそれを弄るのは爪に任せると、再び口は下へ下へと這っていく。 臍を一頻り舌で抉った後、 緩んだ太ももを両手で持ち上げ、股間で薄く繁る淫毛を二本の親指でかき上げる。 散々指で翻弄したアナルを口で覆うと、 襞をほぐすように丁寧に舐め回すその舌は、まだそこへの口淫に慣れない俺の思いとは別に当然のように喜んで収縮する中に入っていった。 熱い舌が届くのはトマ口から入った数センチほどなのに、なぜか頭までがじんわりと温かくなる。 こんなところを舐められ愛されて感じるなんて俺もほとほとおかしいのか? 舌で充分に解されたアナルのその襞をまだしとどに濡れている俊の亀頭でこじ開けられると、 ズンっと 重く嵩の張るものが開いたままの坑道を苛ながらねじりこまれる。 慣らされた大きさなのに、 興奮して蠕動が止まらない内腔は恥ずかしいほど絡みつきその雄を食いしばった。 「 あ、ぁ」 俺に跨った男は官能的な呻き声を今夜初めて上げると、 力の入らない太ももを捕まえ、これでもかと身体の上に折り畳む。 揃えた足首をしっかりと掴み、 堰を切ったように激しい抽送が始まり、悦楽のポイントを執念くゴリゴリと擦りながら、猛った雄は更にその深奥を目指していった。 星が流れたように瞼の裏がチカチカする。 一気に昂められた快感は見事に尾てい骨から脳天まで走り抜けた。 動物のような咆哮を上げてお互いに収縮と痙攣を繰り返した俺たち。 俊は俺の腹の中、俺は自分の頤にまで精液をとばし、 息継ぎも辛い呼吸の中、 「 これが汚れるってことか?」 と馬鹿な質問をすると、 俺より早くに普通の吐息に戻っていた俊。 「 今からだ。 これから本番だ。 恋人たちのヴァレンタインじゃないか」 と、そのセリフは全く出遅れスタートを切ったランナーの弁解にもならない言い訳にしか聞こえない。 直ぐに反応返すのにはだるい身体でそれでも顔だけはえ?と疑問を投げると、 腰高の裸の尻から真っ直ぐ伸びる長い脚先までを見せつけるように堂々と寝室を出て行った。

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