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第17話 迎える朝
初めて心と身体を繋ぎ満ち足りた時間を過ごした雫が目覚めると、和樹が熱い視線で自分を見つめていた。和樹の瞳と視線を絡ませる。それは雫を魅了して止まない整った顔だった。和樹の右手が額から頬にへと雫の顔に添って当てられ、頬に触れるその手は瞳と同じく熱かった。
「おはよう。雫」
響くバリトンボイスに雫は身体を震わせた。うっとりと和樹を見つめる雫の顔には笑みが浮かんでいる。
「おはようございます。和樹さん」
雫も手を持ち上げてその魅力的な和樹の黒子に触れた。1番好きな和樹のその黒子は雫の特別だった。
身を起こした和樹の口付けが降って来る。はじめは啄むように、そしてゆっくりと深く。それを自然と雫は受け止め和樹のキスに酔った。
「うん、ん、ん」
チュッとリップ音をたてて離れる唇を雫は見つめた。それは形の良い魅力的で雫がほしくて堪らないもの。
「どうした?」
(もっとキスがしたい)
熱い雫の視線に気が付いた和樹は意図を汲んで再びキスを降らせる。やめてほしくなくて雫からも積極的に答えていった。
(んん、気持ちいい~、僕どうなるの?)
気持ちの良い巧みな和樹からのキスに雫の半身が熱を持ちそうになる。
「雫、起きようか?」
「はい」
お互いに抑えが効かなくなる前に雫から和樹は身を起こして雫に手を伸ばした。
「起きられるか?」
「ん、はい、なんとか」
(あっ、まだ和樹さんがいるみたい)
赤面が止まらない。
雫のあそこにはまだ挟まっているような感覚が残っていた。でもそれが2人が近づいた証のようで嬉しいと感じていた。
「夕べ寝る前に清めたけど、お風呂に行こう」
雫はいつの間にか着せられていた色違いのペアのパジャマに驚きを隠せない。
(うわ~、寝てる間に和樹さんに着せてもらったんだ。)
シャワーを浴びても、和樹と並んで食事を作り食べても、ふわふわとした気分のまま過ごし和樹に自宅まで送られても膨らんでしまった喜びに雫は浸っていた。それだけ甘~い時間だった。
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