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第23話 危機

「そろそそ効いてくる頃だと思うんだけどな~」  腕時計を見てから雫の方へそんなことを呟きながらその男はゆっくりと近づいてきた。  先ほどから雫は身体に籠もっていく熱を持て余していた。この感じは和樹と肌を合わせるときに感じるものとよく似ていた。 (なんで、どうして?)  雫の混乱している頭をよそに身体はどんどん熱でおかしくなりはじめた。 近づく男から遠ざかるようにして、後退りながら雫は声を絞り出した。 「はぁ、な、何をしたんですか?」 「紅茶に媚薬を入れさせてもらったよ、月嶋くん」 「な、なんで?」 「それは俺の優しさ?じゃあ、そろそろ楽しい時間を始めようか?」  雫は抵抗をしてみるが、力が入らなくなった雫の身体を男は易々と横抱きに抱き上げ寝室へと運んだ。 「や、やめて」  熱い身体を持て余しながらも雫は、暴れて必死の抵抗を試みる。それでも寝室へと運ばれてしまい、1枚1枚と服を脱がされる中、必死に腕を持ち上げてその男の頬を傷つけた。雫の頬には先ほどからずっと涙が流れていた。これからされることを雫は信じたくない思いで理解していた。 「こらこら、暴れない」  それでもその抵抗は易々と防がれ、服は脱がされてしまい、その際に雫が抵抗してその男の頬を引っ掻いた両手も前で縛りあげられた。 「以外とやんちゃだなぁ~」  頬にある引っ掻き傷に触れながら男は、スーツの胸元に手を入れてスマホを取り出し写真を連写した。 「止めて!」 「出来ないなぁ~、その顔そそるし」 「止めて!見ないで!」  雫が顔を両手で顔を隠して、身体を捩るも直ぐに押さえ付けられ媚薬で反応している雫の大切な半身を強く握り絞めらた。半身は恐怖で一瞬縮こまるが、媚薬に全身を侵されている身体の半身は直ぐに熱を持ち始めた。 「ホントに予想以上に色っぽいね~、アンタ」 「うあっ、あ、さわらないで」 「じゃ、いこうか」 「やめて、イヤだ!イヤ~!」  言葉とは裏腹に半身から精が迸った。その姿もしっかりと写真に収められた。休む間も与えられず乱暴に身体を裏返され、獣のような体勢にされた雫は媚薬で痺れた身体を動かす事も出来ず声で拒絶を示していた。 「イヤだ、イヤ、止めて、ああ」  その声を無視して男は吐き出した精を利用して乱暴に雫の蕾をあばくのを止めない。敏感になっている蕾は嫌がる雫を無視するように雫の精とローションを纏った指を受け入れ始めていた。 「ああ、イヤ、イヤ、イヤ、しないで!和樹さん!助けて!和樹さん!」 「呼んでも来ねーぞ。ほら、そう言うがアンタのここは喜んでいるぞ」  男の卑猥な声が聞こえ、シャッター音も雫の朦朧としはじめている耳に聞こえた。 「じゃ、この辺で」  軽く男は言うとまだまだほぐれていない雫の蕾に男の半身を捻じ込みながら動画の撮影まで始めていたのを雫は気が付く事はなかった。  朦朧としながらも和樹ではない刺激に雫の身体は拒絶しか浮かばない。 「ぐぅ、やーーーー」 「恨むなら坊ちゃんを恨むんだな」  悲鳴を上げる雫を無視して男は乱暴に突き上げ、捻じ込まれたものによって雫の蕾は裂けて血が流れる。雫の頭は蕾に起こる痛みと、薬によってもたらされる心地よさに混乱を極めた。 「く、う、く。イヤだ、イヤーー!和樹さん!」    その時乱暴に寝室の扉が開かれ、一瞬にして男の身体は雫から弾かれた。そして雫の身体は砕け落ちると共に意識も深い闇に飲まれていった。

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