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第11話 ※
「ッ……ふぅー、……つッ……ふぅーッ」
必死で、兵の訓練を思い出すことで、愚息を押さえ込めた。
あれはキツい。ほんとキツい。
だが、まだデス・テンタクルは、俺を追い込むつもりのようだ。
「あっ、ああっ、やめ……!」
顔を真っ赤にした、美しい人が、苦悶の表情をする。
その姿さえ美しく、情動を誘う。
「やめっ…やだ…やだぁ……!」
彼を苦悶に追い込んだのは、足だ。
彼自身の足が、絡まりから引き抜かれ、こちらに向けて、大きく広げられた。
「やだ、やだ……見ないで……」
なんとか閉じようとする、その膝から足首までは触手に囚われたままで、為すすべなく固定されてしまう。
その中心。屹立の下。
「ふっ、うぅ~……」
涙をポロポロ落としながら、慈悲を乞う彼の菊門は、すでに触手に犯されていた。
「んっ…や、だ…や……だ、やめ…っ」
落とされる涙もその表情も、芸術的だが、冒された俺の頭は、ある一点に集中する。
つまりは、結合地点に。
「っ…ぁ、…ひゃっ!」
彼の、中に入り込んだ触手は、ゆっくりと一定の動きで、出入りを繰り返していた。
「ぁ…あ…ひっ、ぐすっ…うぅ…」
てらてらと光るその触手は、彼自身のモノと、変わらない太さをしている。
それが、いったりきたり、イったりキたり……
「や、め、やめ…っ、せめて出させて……!!」
「グゥ……ッッ!」
地獄の特訓でも抑えきれない衝動に、脂汗が浮かぶ。
「あ…ん……あっはぁ…あ…んっ…出させて、出させてっーー!」
「ああ、グゥ……ッ!」
彼も汗だくで、なんとか快楽を得ようと腰を振っている。
「「ッッ!!」」
だが、達したくとも、根元を触手が絞めているのでできない。
それが全部丸見えだ。
「ぁ……ひっ、ぅ、あぁ…ッ!」
ポロポロと涙が溢れる。
その目の光はだんだんと失われ、光を映さなくなっていく。
……何やってんだ、俺。
なんで、こんな酷い目に遭うこの人を見て、萎えるどころか、イキり勃つんだろう。
涙と興奮で、赤くなった目の下や、頬に触れたい。
あのサラサラの青銀の髪を指で梳いてみたい。
唇に、そっと口づけてみたい。出来れば激しく吸ってやりたい。
胸を撫でて、硬く立ったピンクの乳首に、刺激を送ってみたい。
腹を撫でて、後ろの穴に、自分のモノを沈めてみたい……ッ!
「うぅ、グゥ……ッ! フゥー、フゥー!」
獣のような声を出して、俺は前に倒れ込んだ。
押さえるすべが、もうこれしかない。
頭の中に溢れる欲望を、それは駄目だという理性に阻まれて、俺にはこの場でうずくまる以外に何もできそうになかった。
地面に額をつけ、必死に押さえ込んで。
涙を流しながら、自分を呪った。
だから、
少しマシになった衝動に、頭をあげた瞬間、
彼の口に、太い触手が挿入されて、
ドクンと何かが流し込まれた時に、
目が合ったのは、きっと見間違いだ。
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