12 / 54

第11話 ※

「ッ……ふぅー、……つッ……ふぅーッ」 必死で、兵の訓練を思い出すことで、愚息を押さえ込めた。 あれはキツい。ほんとキツい。 だが、まだデス・テンタクルは、俺を追い込むつもりのようだ。 「あっ、ああっ、やめ……!」 顔を真っ赤にした、美しい人が、苦悶の表情をする。 その姿さえ美しく、情動を誘う。 「やめっ…やだ…やだぁ……!」 彼を苦悶に追い込んだのは、足だ。 彼自身の足が、絡まりから引き抜かれ、こちらに向けて、大きく広げられた。 「やだ、やだ……見ないで……」 なんとか閉じようとする、その膝から足首までは触手に囚われたままで、為すすべなく固定されてしまう。 その中心。屹立の下。 「ふっ、うぅ~……」 涙をポロポロ落としながら、慈悲を乞う彼の菊門は、すでに触手に犯されていた。 「んっ…や、だ…や……だ、やめ…っ」 落とされる涙もその表情も、芸術的だが、冒された俺の頭は、ある一点に集中する。 つまりは、結合地点に。 「っ…ぁ、…ひゃっ!」 彼の、中に入り込んだ触手は、ゆっくりと一定の動きで、出入りを繰り返していた。 「ぁ…あ…ひっ、ぐすっ…うぅ…」 てらてらと光るその触手は、彼自身のモノと、変わらない太さをしている。 それが、いったりきたり、イったりキたり…… 「や、め、やめ…っ、せめて出させて……!!」 「グゥ……ッッ!」 地獄の特訓でも抑えきれない衝動に、脂汗が浮かぶ。 「あ…ん……あっはぁ…あ…んっ…出させて、出させてっーー!」 「ああ、グゥ……ッ!」 彼も汗だくで、なんとか快楽を得ようと腰を振っている。 「「ッッ!!」」 だが、達したくとも、根元を触手が絞めているのでできない。 それが全部丸見えだ。 「ぁ……ひっ、ぅ、あぁ…ッ!」 ポロポロと涙が溢れる。 その目の光はだんだんと失われ、光を映さなくなっていく。 ……何やってんだ、俺。 なんで、こんな酷い目に遭うこの人を見て、萎えるどころか、イキり勃つんだろう。 涙と興奮で、赤くなった目の下や、頬に触れたい。 あのサラサラの青銀の髪を指で梳いてみたい。 唇に、そっと口づけてみたい。出来れば激しく吸ってやりたい。 胸を撫でて、硬く立ったピンクの乳首に、刺激を送ってみたい。 腹を撫でて、後ろの穴に、自分のモノを沈めてみたい……ッ! 「うぅ、グゥ……ッ! フゥー、フゥー!」 獣のような声を出して、俺は前に倒れ込んだ。 押さえるすべが、もうこれしかない。 頭の中に溢れる欲望を、それは駄目だという理性に阻まれて、俺にはこの場でうずくまる以外に何もできそうになかった。 地面に額をつけ、必死に押さえ込んで。 涙を流しながら、自分を呪った。 だから、 少しマシになった衝動に、頭をあげた瞬間、 彼の口に、太い触手が挿入されて、 ドクンと何かが流し込まれた時に、 目が合ったのは、きっと見間違いだ。

ともだちにシェアしよう!