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第16話 ※

そのあと、触手に 二人揃って腰を捕まれて、再奥に入れたまま、キスをして過ごすことになったり、 どちらかが逆さ吊りにされて、そのまま高速でピストンさせられ続けたり、 ラルドがうつ伏せにされて、高く腰をあげさせられ、バックの形で抽挿したり、 とにかくいろいろやらされたが、 二人で名を呼びあい、愛を伝えあい、気遣いあって乗り越えた。 何時間経ったかわからない。 ふいに、ラルドが言った。 「んっ……もうすぐ、こいつ枯れると思う」 「え?」 枯れる? この、デス・テンタクルが? 「落とされるかも。だから、…あっあっ…!」 動きが、激しくなった。 ラルドの言葉がなければ、さらに追い込みに来たんだろうと思った。 しかし、これは、確かに最後の悪あがきの様相だ。 「はぁっ……なんで? 急に枯れるなんて」 「捕まってから、ずっと、内側から、攻撃、し続けてた、から」 え? マジですか。 凶王半端ねぇ! 「やっ……や…みの…魔力、効きにくい、けど、全然効かない、わけでも、ない、から」 「そっか、諦めないでいてくれたのか」 とんでもない精神力だ。 今だって、非道い揺さぶられ方をしている。 痛みと快楽で、おかしくなっているのを感じたのは二度三度じゃないし、自覚できなかった時間もある。 魔法、魔術は、繊細な集中力が必要とされるものだと聞いたことがある。 こんな激しいセックス中に、展開できるようなものではないはずだ。 それを。 「すごいな」 俺は、尊敬の眼差しを向けた。 「……っ」 ラルドは恥ずかしげに俯こうとして、 「あっ……ひゃあんッ」 足を放り投げられ、赤らんだ顔を俺に見られる結果となった。 はぁ、可愛いな。 ……これも、終わりか。 彼に腰を打ち付けながら、萎えない俺自身を一番奥に送り込み続ける。 こういうことをしているのも、触手に捕らわれた状態と、触手から送られる媚薬と興奮剤のせいだ。 解き放たれれば、こんなことは終わる。 冷静になれば……。 あれ? 思い至る。 ……凶王のケツにチ●ポ突っ込むやつなんざ、いないだろ。 つまり、尻処女でコレか。マジかよ。 童貞の俺が言うことじゃないかも知らんが。 じゃなくて。 筆下ろしが、史上最強最凶最悪の魔導師とか。 現実感がなさすぎるな。 じゃなくて。 この人、最凶最悪の闇魔導師、凶王、なんだよな。 途中、現実逃避して別人だろうなんて、思い込んだけど。人形だとか。外見完全に別人だし。 けど、今の話からしても、本当に、本物の、凶王なんだよな、この人? え? 俺、 凶王が正気に戻ったら、殺されない? 今も現在進行形で、パコパコしてるけど。 ヤバくない? 青銀髪の髪が揺れる。 うっとりしたように、目の下が赤らんだ金と紫の異色の瞳が俺を見つめる。 赤く愛らしい唇は、俺の名を愛おしそうに呼び、胸の突起は、触られたそうに立っている。 前部の剛直は、未だ衰えず快楽を伝えてきているし、後部の孔には、俺の相棒が激しく出入りを繰り返しているところだ。 ふぅ。無理だな。 俺、死んだわ。 その次の瞬間だった。 突如崩れ落ちるように、デス・テンタクルは内側から枯れていった。

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