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第17話 ※
目を開けると、
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…」
天使みたいなめちゃくちゃ綺麗な人が、俺に跨がって、懸命に腰を振っていた。
「ちょ、何!? どうなって」
「あ、起きましたか? ガイリ……」
額に張り付いた、銀髪を掻き上げる姿が美しいです。そしてチ●ポ気持ちいい。
じゃなくて!
「なん……なんで、こんな……」
「?」
いや、そんな可愛く首をかしげながら、騎乗位で腰を振られても、気持ちいいだけだから!
「はっ……あの、状況が……混乱してて……」
あれ? 俺って殺されてるはずじゃなかったっけ? それとも、これから?
「そう? じゃあ、もうしばらく、からだ借りていい?」
「いや、何が「じゃあ」なのかわからない」
ぜんぜん説明にならない返答をされたぞ。
「あれ? ガイリ、記憶飛んでたりします?」
そう言われると、自信はない。
記憶にない会話とか、契約とかがあったのかもしれない。
「……かもしれない」
「そうですか、じゃあ、もうしばらく、からだ借りますね」
「いや、だからなんで「そうですか」なの!?」
再び動き始めたラルドに憤るも、快楽に押し流される。
あぁ、ダメだこれ。抵抗できない。反則級だって、この気持ちよさ。ムリムリムリ……あぁ……。
「んっぷ……」
出そうになった瞬間にキスされて。
そのまま、イキながらナカ出し。
あぁ、もうなんだこれ。
「俺もう死んでもいい……」
「ふふ……それ、デス・テンタクルに捕まってる間にも言ってましたね」
「ええ……なにそれ。記憶にない……」
本気で記憶喪失案件です。そんなこと、言った?
「そうなんですか? 大体は、射精後に言ってましたけど」
大体は、て。
「え、まさか、そのたびに、とか」
「いえ。全部で5回ぐらいじゃないですか?」
「……それ以上に、出してたのか……」
どれだけの時間、捕まっていたかは分からないが、一日で5回でも、俺には新記録です。
「さすがに、何回出されたかは、覚えてないですね」
「すみませんでした」
土下座して謝りたい。
まだ、彼が上に乗ったままだからできないけど。
「謝るとこありました?」
「いや、でも」
「ないですよ。どれだけ私が助かったと思ってるんですか」
ふんわりと微笑まれて黙る。
なんということだ。あり得ないぐらいの美人に、微笑まれながら合体とか、全童貞の夢を今、俺は叶えている……! 男だけど!
「もう少しだけ我慢してくださいね……あと何回か出せば、毒素は取れますから」
「毒素?」
そこで、はたとする。
なんだと? 不穏な言葉だ。
「ん……。デス・テンタクルにですね、何か飲まされたり、塗られたりしたでしょう? 体液なんですが」
「ああ」
それは分かる。飲まされる度に、酒を呑んだようにクラクラした。
「あの中に含まれてる毒素を、魔導でちょっと操作して、精子の代わりに排出してるんです」
って、とんでもない魔導を使われている!
「どうせ、毒素が体内に残っていると、性的に敏感になりますし、抜けたのも分かりやすいですから」
ちょっとすまなそうに、頬を赤らめられ、そのかわいさに絆される。
ああ、でもうん。やっと理由がわかったよ。
毒素を抜くために、ヤってるわけか。なるほどなるほど。
いや、わかんないよ。
さっさと殺した方が早くない!?
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