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第32話※

「んあ……っ ……人前では、『凶王』と『ただの兵士』の演技で通すって約束したじゃ……あんッ……」 ラルドは、頬を赤らめながら、言葉では抵抗してくるが、腕は軽く押さえる程度で、ぜんぜん抗っていない。 「人前じゃなければいいんだろう?」 「ま……まって、あの、本棚の向こうには人が」 「そう言いつつ」 胸を擦っていた手を、黒いローブを辿って下へと移していく。 「……硬くなってきてるけど?」 「……ッ!」 嘲弄うような声色で、そこに手をやると、痙攣したように、体をびくんとさせた。 「だ……だって」 「うん?」 首すじに、唇を落とす。 「あんな……」 「んちゅ……」 「ひゃ! あんな……ところで、キスしていい? なんて、聞くから」 「……ん?」 赤らんだ、ラルドの顔を見る。 すっごく恥ずかしそうに、腕を口元にあてている。 それって、あの扉での会話? あんな、無反応だったのに? 自分のものが、ぐんと勃起したのがわかった。 「ん……ガイリのが当たって……」 「もう、止まらないからな。覚悟しろよ」 「んあ、だから、人が……ああんっ」 ローブの隙間から手を差し込んで、胸を直接いじる。 その際、はだけて、ラルドの太腿までが露になった。 「……ッ! ……ホント、エロい衣装だよな。真っ黒なローブの下は、何も着てないとか」 「んんッ……! きちんと合う服なんて、ないですから、って、言ったでしょう」 「ああ。誰も気を配る人もいないし、ってな」 そう。歩いてるときも、腕や足の青黒さが見えていたが、二重に重ねたローブの下に、何も衣服を着けていなかったことが判明したのも、昨日のことだった。 感覚的には、布を巻き付けていただけ、の衣装だと。 『凶王』だと人間離れした姿のせいで気にならなかったが、素顔のラルドだと……ああ、うん、別の意味で、人間離れした姿だけどな。 けど、この美貌で、布巻き付けた衣装だけとか。 「股間に直撃する……」 「その、心の声が出るクセ止められない?」 「やだ」 「ふぁ! もう……」 胸をいじっていた手を、下半身に移していく。 すでに、穴がトロトロになっていた。 「準備万端じゃないか」 「えっ、違……ッ!」 「違くないだろ、ホラ、すぐに二本入った……」 「ああッ! やぁ……」 躊躇なく指を挿し入れても、抵抗なく咥え込んで、ずぶずぶと受け入れるそこは、熱く、出来上がっていた。 涙目に朱を注す頬を、愛おしく、かつ、嬲り倒してやりたくなる。 「これだけ濡れてるなら、もういいか」 「やっ……あ……」 指を抜いたのを、切なげに見る、その前でベルトをはずし、前をくつろげる。生唾を飲み込む音が聞こえた。 誰だよ、こんな美人をこんなエロくしたの。 「ふぁッ! や! イキナリ……」 「我慢できない、って言ったろ……ッ!」 ほとんど前戯なしだったにも関わらず、熱く滾っていた後孔は、すんなりと俺を受け入れた。 奥へ奥へ挿し込むと、痙攣するように、体が揺れる。 「あ……はぁ…………ああ…………ッ!」 「ヤッベェ、もう、気持ち良すぎて無理だわ」 「あッ……あっ、やめ……ッ……ダメっ」 抽挿を開始すれば、食いつくように中が吸い付き、射精を促す。 目はトロトロで、ハートが浮かんでいるようだ。 「中っ擦れ……ッっあ、……ん、あ……いいッ」 「ホント、誰だよ、ラルドをこんなにしたの」 「んあ……ガイリ……ッ!」 足が、俺の足に絡み付いていたはずが、すっかり長机の上に上がって、大きく開脚されている。 その足を、さらに広げるように持って、抽挿を早めた。 「……あっ、んッやめ……やめ……」 「やめろと言っても、ラルドの中がなぁ」 「んっ、中、……ぁあああ……っ」 「吸い付いて離さないんだよなぁ」 「……中が……うッ……突……っ中っダメっ、ふっ……はッ」 「んー……無理」 ラルドの肌の白と、ローブの黒のコントラストが、俺を煽りに煽る。 「やっ、やっ、や……あっ、あぁ、ああっ」 「ラルドの前も、擦ってやろうな」 「やっ、出るっ……出るぅ……」 「気持ちいい?」 「きもち……ッ! きもちぃぃ……から、やだぁ……」 やだとか涙を溢しながら、すごい腰揺れてるんだけど。ホントに気持ちいいんだな。 「いっぱい、擦ってやろう」 「やッ! 激しッッ……やぁっ! やぁあッ……!」 陰茎を擦りあげてやれば、泣きながらラルドが、背に掻きついてくる。トロトロで……朦朧としているようだな。 うん、かわいい。 「ラルド……好きだ。キスしよう」 「ん……ッ! ガイリ、好き……好きッ……!」 唇を重ねて、腰を打ち付けるのを、さらに早める。 「ん……んちゅ……ガイリ……ガイリ……! んんッ!」 「ああ……蕩けそうだ……」 最後は、舌を絡め合いながら、奥に熱く放った。同時に放たれた、白濁が、さらにエロい。 もう一回、いいよな?  

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