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第4話

◆◆◆◆◆◆ 次の日もトオルは花壇の世話をしていた。 今回は自分から。 理由はひとつ!ここなら彼を待っていても不自然ではないから。 チラチラと玄関をみる。 そして、千尋の姿が見えた。 その瞬間から、心拍数が尋常じゃないくらい上がっていく。 心なしか身体も震えているようにも感じる。 足音が少しづつ、近付いて来る。 な、なんか話し掛けなきゃ……昨日はありがとう。とか、うん、昨日はありがとう。が1番しっくりくるよな? 頑張って話そう!! そう思ったのに、千尋は真横を素通りしてしまった! あっ、やば!!声をかけようとするが、何って呼び止めて良いか分からなくなってしまった。 土壇場にきて………これだよ。トオルはまた、へこむ事になる。 ◆◆◆◆◆ 俺って、ほんと、ダメダメじゃん。 次の日の昼休み、トオルは花壇にいた。 先生にお前、花が好きみたいだから任せた!!なんて肩を叩かれたのだ。 あ〜〜、もう最悪!! 図書室の仕事もあるのに余計な仕事を押し付けられてしまった。 でも、それは断われない自分が悪い。 ため息を付きながら雑草を抜いていると「その花、なんて言うの?」真後ろから声がした。 「これ?これはリナリア………」 って言う名前だよ。と振り向いて質問をしてきた相手に言うはずだったが、言葉を思わず飲み込んだ。 自分に声をかけてきたのが、千尋だったからだ。 えっ?ええっ?な、なんで?なんでえええ? 一気に心拍数が上がった。 「そんな名前なんだ」 千尋はトオルの真横にきて、その場にしゃがみ、じぃーっと、花を見ている。 「あ、花言葉とかもあるんだよ」 と言って、あ〜、俺だせえ!女子かよ?女子? 花言葉とか女子かってーの!! テンパり過ぎて何を言ってしまったんだろうと慌てる。 千尋に変な奴だと、確実に思われたよ! 世界が終了した瞬間だった。 でも、「花言葉?そんなのあるの?」と千尋は反応してくれた。奇跡が起こった瞬間!! 「うん、えっと、私の恋を知ってください」 「片思い中なの?」 「えっ?」 返された言葉にドキとしたトオル。 「えっ?あっ?誰、誰に?」 「誰って………花が……花が片思い中なの?って聞いた」 「あっ、ああ、花ね。花……えへへへ」 もはや、普通の会話はもう無理だと確信した。 「メガネ、直ったんですね。じゃあ!」 千尋はそう言って立ち上がると、校門へ向かって歩き出した。 あれ?なんで校門? 良くみると鞄を持っている。 早退?えっ?体調悪いのかなあ? 色々と突っ込みたいのに、トオルはその場から動けなかった。

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