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計画 #2 side Y

出発してほどなく、冬真が尋ねた。 「葉祐君?」 「うん?」 「デート......スーパーは分かるんだけど...ホームセンターで何買うの...?」 「ああ。実はさ、俺...家の模様替えを考えているの。もちろん、冬真の方が長い時間過ごすんだから、冬真の好きなテイストは残すよ。それを主軸にしつつ、俺のテイストとあった方が良いかなって物をちょっと加えるつもり。昨日、ちょっと考えたんだけどさ、取り敢えず購入を考えているのは...折り畳み式で可動式のベッド、それに必要なシングルの寝具一式、それから...ガーデニング仕様の折り畳み式のテーブルと椅子2脚。それに、天井に付けるフックの付いたネジにてぐす。今日はまぁ...こんなところかな。午前中まで購入すれば、即日配送してくれるんだって。」 「うん...」 「で、スーパーは食材と消耗品。あとは天城先生が訪ねて来るかもしれないから...お酒を少々。それと...最後にアイスでも食べる?何だかデートっぽいだろ?」 「二人でアイス食べるの...2回目だね...」 「そうだな...」 「俺は...あの日を境に...アイスは数えるほどしか食べてない...頂いた物を仕方なくとか...」 「アイスは...悲しい思い出だもんな。」 「うん......ごめんね......」 「もう...いいよ。あの時は...仕方なかったんだよ.。俺達は子供だったんだ。それに、今日から良い思い出に変わるよ!だってさ、初デートで食べるんだぜ!」 「そうだね...」 それから俺達は何も話さなかった。だけど...冬真の視線だけはずっと感じていた。ちょっと気になったので、赤信号になった時、 「何?」 と尋ねた。 「ううん...」 冬真は穏やかな表情で首を横に振り、反対側の窓に視線を移した。 正午を少し回った頃、自宅に着いた。冬真はさすがに疲れたのか、ベッドは拒否したものの、ソファーに横たわった。俺はホームセンターから持ち帰った寝具類をウッドデッキに干し、昼食の準備を始めた。 「昼飯はあっさりが良いよな?さっき素麺の束、見つけたから、にゅうめんにでもする?」 そう言って、冬真を見ると、冬真はまた静かに俺を見つめていた。今日は気が付くと、冬真が俺を見つめている...そんなことが多かった... 「どうした?」 「ううん...」 「こ~ら!言いたいことがあるならちゃんと言えよ。」 「うん...ただ...」 「ただ?」 「やっぱり...好きだなぁ...…と思って...」 そう言って...はにかんだ... ずるい... そう思った... そんな風に言われたら... そんな風に微笑まれたら... 理性なんて吹っ飛んじゃうよ... 俺は冬真を抱き起こし、引き寄せ、キスをした。いつもの唇を啄むだけのキス...冬真はそう思っただろう。だけど、今日は...そんな子供の様なキスじゃ...俺...我慢出来ないから... 冬真の唇をぺろりと舐めた。驚いた冬真が少し口を開けた瞬間を逃さず、冬真の口の中に侵入した。冬真は驚いて身を硬直させたが、俺は更に強い力で冬真を抱きしめた。舌先に全神経を集中させて、冬真の唇を...舌を貪り尽くす... 冬真の唇から離れ、両手を冬真の両頬に添えて見つめれば、冬真の瞳は更に透明度が上がり、潤み、何とも言えない色気を醸し出していた... この先に進みたい... でも... 冬真は病み上がりで... 体の傷痕を見られたくなくて... セックスに耐えられない体だと思っている... 進めるわけないか... 「ビックリした?」 やっと出てきた言葉は、本心とは全然違うものだった。 「......少し...」 「でも...俺が冬真としたいキスは...いつものじゃなくて...こっちの方なんだ...」 「そう......」 「さてと、昼飯作んねーとな。にゅうめん、にゅうめん。」 俺がソファーから離れようとすると、冬真はそれを拒むかの様に、俺の手を掴んだ。 「葉祐...」 「えっ?」 冬真が俺の名前を初めて呼び捨てにした。たったそれだけのことなのに、俺はひどく興奮した。 「葉祐......もう一度.......」 冬真は切れ切れにそう言って...俺を求めた。冬真の解き放たれた色気に吸い寄せられる様に、俺は冬真の顎に手を添え、少し持ち上げた。冬真の美しいアンバーの瞳は、もう蕩けそうだった。そして、冬真はその美しい瞳をゆっくりと閉じた... 俺達はもう一度、深い深いキスをした...

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