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First action #7 side Y
今までそれが答えとされていたことが、実は全く違うもので...
何よりも愛おしい冬真をずっと苦しめてきたその答えを...
俺は覆せるかもしれない...
覆したい...覆してみせる...
冬真のために...冬真のお母さんのために...
だって...冬真のお母さんは冬真を殺そうとしたのではなく、むしろその逆で...本当は助けたいと思っていたのかもしれなのだから...
「先生!」
「どうした?急に大きな声を出して。」
「すみません。先生、ご存じなら教えてください。」
「何かな?」
「冬真がお母さんに殺められそうになった日、冬真は風邪を引いていませんでしたか?風邪でなくても...咳き込んでいたのではないですか?」
「あぁ。その日だったら...確か熱があって、幼稚園を休んでいたと聞いているよ。ただ...咳き込んでいたかどうかはわからないけど...」
「先生!お願いです!その辺りを、織枝さんか絹枝さんに聞いて頂けませんか?」
「葉祐君。どうした?」
「大事なことなんです!もしかしたら...お母さんは...冬真を殺そうなんて思ってなかったのかも知れません!」
「えっ?」
「さっき先生が教えてくださった話で、俺...子供の頃のこと思い出したんです!俺の仮説が正しければ...お母さんは冬真を助けたいと思っていたはずで、それを実証するには、冬真がその日、咳き込んでいなければなりません。お願いします!確認して頂けませんか?」
「分かった。絹枝は学校へ行っていて、直接その瞬間を見ていないと話していたから、お義姉さんに聞いてみよう。」
天城医師はスマホを取り出し、織枝さんに連絡してくれた。二人の会話はしばらく続き、俺はそばで固唾を飲んでその様子を見守った。ほどなく、天城医師が俺にスマホを差し出した。
「お義姉さんが代わって欲しいそうだ。」
俺はスマホを受け取った。
「もしもし?」
『葉祐......君...?』
懐かしい声が聞こえて来た...
「はい。葉祐です。織枝さんですか?」
『そうよ...葉祐君...お久し振りです。元気だった...?』
「ご無沙汰してます。はい。元気です。」
『当たり前だけど...もう...声が青年の声ね。絹枝から聞いているわ。冬真の支えになってくださっているのね...ありがとうございます。』
「いいえ...俺の方こそ冬真君と一緒の時間は、本当に有意義で、充実した時間を過ごさせてもらってます。」
『そう言ってもらえて本当にありがたいわ...ところで...あの日のことだけど...』
「はい......」
『あの日...冬真は風邪を引いていて幼稚園を休んだの。熱もあったけど...葉祐君の言う通り、一番酷かったのは咳だったわ。』
「やっぱり!教えてくださって、ありがとうございます。あの......」
『何かしら?』
「今度...織枝さんを訪ねてもよろしいですか?本当は冬真君と一緒に行きたいけれど...まだ不安定な時もあるし、まずは俺だけ。お母さんが落ち着いているときに...」
『是非...いらっしゃい...待っているわ。』
「ありがとうございます!」
『葉祐君......』
「はい。」
『冬真のこと......よろしくお願いします。』
電話口の向こうで、織枝さんが深く頭を下げている様な気がした。俺も見えない織枝さんに対して、深く頭を下げた。
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