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初めての時間 #1 side Y
互いを存在を確かめ合うような深いキスをした後、俺は浴槽の縁に座り、手を引いて冬真を招き、俺の上にまたがる様に座らせた。互いの下半身が重なり合い、冬真は恥ずかしそうに視線を右に逸らした。その隙を見て俺は、冬真の胸にある二つの控えめな果実のうち、左胸の方を口に含んだ。
胸の傷痕なんてどうってことないよという想いを込めて...
「あっ............」
冬真が小さく声をあげた。俺はその小さい果実を、舌で転がしたり、強く吸ったり、啄んだりと、執拗な愛撫を繰り返した。冬真は、
「はぁ......はぁ......」
と愛撫の度に声をあげた。最後に甘噛みをすると、大きく後ろにのけ反った。冬真の美しい顎から首のラインが露になり、今度はそこにキスをした。
「ん...はぁ...あっ...」
キスの愛撫を何度か繰り返した後、俺は冬真から静かに離れた。冬真は上気した顔で、俺を見つめ、独特の色気を少しづつ解き放っていた。
「......葉祐......?」
「うん?」
「気持ち悪くない......?俺の......体......」
「さっき言っただろ?『お前の何もかもが綺麗だ』って...冬真...お前は本当に全てが綺麗だよ...それに...この傷痕は......お前が頑張って生きて来た証拠だろ?」
「......ありがとう...」
冬真の瞳から一筋、涙が零れた。その涙を吸い取るように右頬にキスをした。
「なぁ...冬真?」
「うん...?」
「あの......その......」
「うん......しよう......葉祐......この先......」
「本当に?!でも......大丈夫...体......?」
「......うん...でも......」
「でも?」
「このままは...恥ずかしいし...出来れば...シャワー...浴びたい...かな......」
「そうだな!まずは、ざっと風呂に入るか!」
「うん。」
俺達は交互に洗い場と浴槽を行き来し、最後に二人で浴槽に入った。二人で入るには、ちょっと狭かったが『ストール』の体勢になり、俺は冬真を後ろから抱きしめた。
「冬真...これから先のことなんだけど...」
「......うん...」
「どっちが......」
『受け入れる...?』
そう聞こうと思ったら、冬真がそれを遮る様に俺の名を呼んだ。
「...葉祐......」
「何?」
「俺......一度も...したことないんだ...だから......葉祐が....リードして...」
「良いの?」
「うん......」
「俺はスゲー嬉しいんだけど...でも、そうすると...冬真の方にかなり負担が掛かっちゃうんだけど......」
「...良いんだ...葉祐を受け入れたいし.....そうなってくれるかどうか分からないけど...葉祐が俺に翻弄されるとこ...ちょっと見てみたい...」
と言い、少し俯いた。純粋な言葉と小悪魔のような言葉...その言葉のギャップだけでも胸が高まっているのに、俯いたことで冬真の項が露になり、更に下半身が元気になってしまう。
マズい...
そう思えば思うほど、俺自身は増々、自己主張し始め、冬真のお尻の上の方に当たってしまう...
「あっ......もしかして......もう...翻弄...出来た...?」
冬真がクスっと笑った。
「ごっ...ごめん......既に翻弄されました.........でも...もっと翻弄されたい......ベッドに...行っても...良い...?」
冬真は小さく頷いた。
俺達はベッドに向かうため、風呂から上がった。
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