68 / 258

初めての時間 #1 side Y

互いを存在を確かめ合うような深いキスをした後、俺は浴槽の縁に座り、手を引いて冬真を招き、俺の上にまたがる様に座らせた。互いの下半身が重なり合い、冬真は恥ずかしそうに視線を右に逸らした。その隙を見て俺は、冬真の胸にある二つの控えめな果実のうち、左胸の方を口に含んだ。 胸の傷痕なんてどうってことないよという想いを込めて... 「あっ............」 冬真が小さく声をあげた。俺はその小さい果実を、舌で転がしたり、強く吸ったり、啄んだりと、執拗な愛撫を繰り返した。冬真は、 「はぁ......はぁ......」 と愛撫の度に声をあげた。最後に甘噛みをすると、大きく後ろにのけ反った。冬真の美しい顎から首のラインが露になり、今度はそこにキスをした。 「ん...はぁ...あっ...」 キスの愛撫を何度か繰り返した後、俺は冬真から静かに離れた。冬真は上気した顔で、俺を見つめ、独特の色気を少しづつ解き放っていた。 「......葉祐......?」 「うん?」 「気持ち悪くない......?俺の......体......」 「さっき言っただろ?『お前の何もかもが綺麗だ』って...冬真...お前は本当に全てが綺麗だよ...それに...この傷痕は......お前が頑張って生きて来た証拠だろ?」 「......ありがとう...」 冬真の瞳から一筋、涙が零れた。その涙を吸い取るように右頬にキスをした。 「なぁ...冬真?」 「うん...?」 「あの......その......」 「うん......しよう......葉祐......この先......」 「本当に?!でも......大丈夫...体......?」 「......うん...でも......」 「でも?」 「このままは...恥ずかしいし...出来れば...シャワー...浴びたい...かな......」 「そうだな!まずは、ざっと風呂に入るか!」 「うん。」 俺達は交互に洗い場と浴槽を行き来し、最後に二人で浴槽に入った。二人で入るには、ちょっと狭かったが『ストール』の体勢になり、俺は冬真を後ろから抱きしめた。 「冬真...これから先のことなんだけど...」 「......うん...」 「どっちが......」 『受け入れる...?』 そう聞こうと思ったら、冬真がそれを遮る様に俺の名を呼んだ。 「...葉祐......」 「何?」 「俺......一度も...したことないんだ...だから......葉祐が....リードして...」 「良いの?」 「うん......」 「俺はスゲー嬉しいんだけど...でも、そうすると...冬真の方にかなり負担が掛かっちゃうんだけど......」 「...良いんだ...葉祐を受け入れたいし.....そうなってくれるかどうか分からないけど...葉祐が俺に翻弄されるとこ...ちょっと見てみたい...」 と言い、少し俯いた。純粋な言葉と小悪魔のような言葉...その言葉のギャップだけでも胸が高まっているのに、俯いたことで冬真の項が露になり、更に下半身が元気になってしまう。 マズい... そう思えば思うほど、俺自身は増々、自己主張し始め、冬真のお尻の上の方に当たってしまう... 「あっ......もしかして......もう...翻弄...出来た...?」 冬真がクスっと笑った。 「ごっ...ごめん......既に翻弄されました.........でも...もっと翻弄されたい......ベッドに...行っても...良い...?」 冬真は小さく頷いた。 俺達はベッドに向かうため、風呂から上がった。

ともだちにシェアしよう!