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初めての時間 #2 side Y

横抱きからベッドに横たえさせた冬真は、俺をじっと見つめていた。その表情は、未だかつて見たことがないもので..... 体の関係はなかったものの、幾度となく同じベッドで眠り、幾度となくこの腕の中に収めてきた。しかし、冬真のこんな表情は見たことがなかった。不安と恥じらいが交差するその表情は、予想をはるかに越え、何とも言えない色気を醸し出していた。 俺はすかさず冬真にキスをする。舌を絡ませ、貪欲に互いを求める。時折、冬真が酸素を求める様に洩らす吐息が艶かしく、それが更に俺を興奮させた。 キスを唇から首、耳へと移動させると、 「ぁ......」 冬真は小さく声をあげた。そして、愛撫を冬真の胸の二つの果実に変える。左の方を口に含み、右の方は指の腹で摘まむ。 「あっ.....あ......」 浴室でしたように口に含んだ方は、舌で転がし、吸い、啄む。右の方は、摘まむ指の力に強弱をつけたり、引っ張ったりした。愛撫を繰り返していると、冬真自身が徐々にそそり立ってきた。冬真の表情が見たくなって、顔を覗くと、冬真は瞳を閉じて、自身の手の甲を軽く唇に当てていた。その姿はとても官能的で... 声を出すのを我慢している.... そう思うと、啼かせてみたくなり、今度は口と指を入れ替え、胸の愛撫を続けた。 「はぁ...あん...はぁん.....」 冬真は我慢できず、小さく啼き出した。 「冬真.......もっと...声を聞かせて.....」 「イ..ヤ......」 「ダメ......聞かせて.....」 「恥ずか...しい.....」 「聞かせてくれるまで.....辞めないよ.....」 果実の愛撫を辞め、冬真が吐息を一つ洩らしたのも束の間、今度はそそり立つ、冬真自身を口に含んだ。 「あっ.....葉祐......ダメ....そんなとこ....はぁ...」 冬真が吐息混じりに言った。俺はそのまま、舌先と口全体で冬真自身を愛撫し続けた。 「ああっ....ん....ふぁ......」 冬真自身からカウパー液が溢れ出し、冬真も気持ち良くなっていると思うと、興奮が抑えきれず、もっと啼かせてみたくなった。 「冬真.....気持ち....良い...?」 「.....うん.....」 「もっと.....啼いて....冬真.....」 「で...も.....」 「お前が...俺で..啼くとこ...見たいんだ.....お願い.....恥ずかしがらずに.....啼いて.....」 「葉祐......ああん......」 再び、冬真自身を口に含み、執拗に愛撫を続けた。冬真は徐々に啼き声を上げ、いよいよ極みを迎えようとしていた。 「葉祐......止めて......もう...俺.....」 快楽からか、冬真は涙をうっすら浮かべながら懇願した。しかし、俺は構わず続けた。 「イヤ.....もう....ダメ...出ちゃ.....ああああっ......」 冬真は我慢できず、俺の口の中に自身の欲望を吐き出した。口の中に冬真の香りと苦味が広がった。 「はぁ....はぁ...ごめん.....早く吐き出して......」 荒い息遣いのまま冬真は俺に、自分が出した白濁を吐き出すように言い、ティッシュを差し出した。 俺は冬真を見つめ、笑顔を送ってから、 ゴクリ... 冬真の欲望を全て飲み込んだ。

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