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女子会 #1 side Y

「ただいま~」 「お帰り...お疲れ様...」 玄関で嬉しそうに出迎えてくれる、愛おしい存在に堪らずキスをする。その愛おしい存在は、恥ずかしいのか、目も合わせられず、ただ、ひたすら俺のYシャツの第二ボタン辺りを、赤面しながらずっと見ている。 可愛い...... 「遅くなってごめん。明日、冬真の家に帰るだろ?だから、今日出来ることは全部やっておこうって思ってさ。そう言えば、冬真、メシどうした?食べた?」 「ううん....まだ......」 「えっ?ごめん、ごめん。先..食べてて良かったのに...」 「せっかく一緒にいるんだから...一緒に食べたいじゃない...」 全くもって、この天使は何の作為もなく、仕草のみならず可愛い事をさらりと言う。 「冬真...お前本当に本当に可愛いな!」 本当。これ...心の底からいつも思ってること... 「もぉ!男に言う言葉じゃないでしょ?早く食べよう!」 頬を朱に染めて、ちょっとプリプリと怒る仕草は、更にこの上なく可愛い! この可愛らしさとテーブルに並べられた料理。俺のために作られた和食。この上ない幸せを俺は噛み締める...... 「はぁ......」 「どうしたの?ごめん...嫌いな物あった?」 冬真は慌てて俺の顔を覗き込む。 「いや...俺...なんて幸せ者なんだろうって思ってさ。」 冬真はちょっと驚いた表情をして 「変なの......」 そう言ってクスクス笑った。その笑顔に俺は、すでに撃沈寸前で...... 理性をフル稼働して尋ねる。 「そう言えば、昨日の女子会どうだった?」 昨晩、冬真は女子会と称する横川さんと香ちゃんの食事会に参加した。この二人は月に一度か二度のスパンで、『女子会』と称し、互いの彼氏の愚痴を言う。斎藤も石橋も、かなり厳しい注意を受けるのか、この会の翌日は、かなりげんなりしていて、部外者ながらも『可哀想に』と思ったものだ。この女子会に冬真が誘われた時、俺は複雑な思いだった。冬真にはたくさんの事を経験して欲しい。だが、俺も斎藤と石橋同様、女子会の獲物になるのだ。ある程度覚悟していた。しかし、迎えに行った時も、今朝も、特に何も言われてはいなかった。 「とても楽しかったよ。」 「ふ~ん...」 「でも......」 「でも?」 「二人とも『冬真君はいいなぁ...』って...そればかりで......」 「とっ冬真...君.?」 「うん。」 『冬真君』って何だ?距離近すぎだろ?しかも...どんな話してんの? 俺の中の嫉妬の炎に火が点いた... 冬真には気が付かれないよう、精一杯、表情には出さないように言う。 「へぇ...女子会ってさ、どんな事話してるの?」

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