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新しい朝 #2 side Y
冬真の帯が解け、両肩からするりと浴衣が脱げた...
白く艶のある美しい肌に、ザックリと大きく入った茶褐色の傷痕が目に写った…
冬真の突然の行動に、俺はただただ驚くばかりだった。
「冬真!どうしたの!?何してるの!?」
俺は冬真の前に立ち、慌てて浴衣を拾い上げた。冬真に浴衣を着せようとしたが、冬真はそれを拒んだ。冬真は俺の帯を解くと、俺の浴衣を肩まではだけさせた。浴衣は自動的に両肩からするりと落ちた...
二人で暫し見つめ合う...
そして...冬真は俺の胸の中に飛び込んできた。
事件後、間もなくはどうしても体が硬直してしまう冬真を、横抱きにして入浴させていた。その際、少し肌が触れることはあったが、こうして正面から直接、肌と肌が触れ合う抱擁は、事件後、初めてのことだった。
温かかった。とても......
ダメだ...辞めてくれ......
このままだと...ますます離れた難くなって...
冬真が欲しいという本能のまま突き進んでしまう...
そうすると...冬真...
俺は...
お前を傷付けてしまうんだよ......
俺は冬真を離そうと試みる。しかし、それに反して、冬真は俺から離れようとせず、俺の胸にある二つの果実のうちの一つを口に含み、舌で転がし、甘噛みをした。
「うっ......」
甘美な刺激が一気に体中を廻り、一瞬...このまま冬真を抱き潰してしまおうか...そんな考えに襲われた。
いや...そんなのダメだ。
冬真は欲情した俺を気遣って...自らを犠牲にし、体を差し出してるだけだ。
性的被害を受けた冬真を抱いてしまったら...
冬真の唯一の拠り所の俺がそんな冬真を抱いてしまったら...
冬真は心を壊し、もう二度と...会えなくなってしまうかもしれない。
「ダメだ...ダメだよ...冬真......」
力ずくで冬真を体から離した。それでも冬真は俺に抱きついて来る。それを何度か繰り返した。
「辞めろ!お願いだ!辞めてくれ!」
とうとう声を荒げ、言い放ってしまった。繊細な冬真にこんな物言いをしたのは初めてだった。案の定、冬真は体をびくつかせた。そんな冬真を見て、たくさんの後悔の念が押し寄せ、俺は床に崩れ落ちて泣いた。
「うっ...うっ......こんなこと...させて...ごめん...俺......強くなるから...冬真にこんなこと...させないでもいい様に...自分のこと...もっと...律することが...出来る様に...頑張るから......だから...だから......うっ...うっ......」
最後は嗚咽になり、ただ顔を伏して泣き続けた。
白く美しい手が俺の頬に触れた。優しく。顔を上げ、伸ばされた腕の先を見ると、冬真は微笑んでいた。そして...
その笑顔は段々近づいて来て...
俺の唇に...冬真の唇が重なった......
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