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嫉妬と暴挙と制裁と #2 side Y
冬真が自宅に戻って初めての土曜日。
先週と同様、朝から来店客もかなり多く、その中には冬真目当ての客もたくさんいて...
それでも冬真は店にいた。俺を手伝うために。
冬真が店にいる。それだけで店全体が色めき立ち、とても華やいだ。それは先週までと何ら変わらない、俺にとっては気が気でない光景。
でも...今日は違う。
冬真目当ての客は、彼のある部分を見て一気に表情を曇らせたり、ひそひそと話を始めたりした。
その部分…それは冬真の左手の薬指。
そこには、小さな赤い宝石が埋め込まれたプラチナの真新しいリングが光っていた。そのリングがそうさせるのか、冬真の色気と美しさと可憐さは、普段より倍増されているような気がしてならない。そんな冬真はいつものように、時折俺だけに向かって微笑む。その瞬間、俺はまた懲りずに胸を高まらせ、そして堪らなくなって、何とか冷静になろうと胸の上に手を乗せる。深呼吸…深呼吸…ここまでは先週と一緒。でも、今日はそこでハッとする。
先週と違うこと…俺のシャツの下にはプラチナのネックレスがあって、そのネックレスには、冬真のものとペアになったリングが通してあった。
冬真のリングと俺のリング
同じ赤い宝石が埋め込まれているけれど、冬真のリングには俺の誕生石が、俺のリングには冬真の誕生石が埋め込まれているのだと、冬真が教えてくれた。
あの日...冬真が親父と帰宅した晩、ひたすらみっともなく冬真の胸で泣き続ける俺に、冬真はずっと背中を撫で続けてくれた。
「ごめん...ごめん...ね...いや...だったね...さびし...かったね...ごめんね...ごめん...ね...」
そう言いながら。
しばらくして、やっと落ち着きを取り戻した俺の涙を拭いながら、冬真は予想もしなかったことを口にしたんだ。
「ようすけと...ぼくの...まりっじ...りんぐ...つくった...ぼくたち...はなれ...られない...いい?」
「えっ?」
あまりの予想外の言葉に、俺はそれ以上、声も出せなかった。それから冬真は、あの可愛らしい笑顔とキスをくれたっけ...
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