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第3話 side K
な、なにが始まったんだ。
俺はぽかんというか唖然というか呆然というか愕然というか、とにかく頭の中が真っ白になっている。
だってついさっきまでエロい……じゃない顔を赤くして痴漢にされたことを喋っていた美千がソファに横になってて、それでズボンが脱がされて……その男の象徴に宗二が舌を這わせていた。
え。
なにこれ。
なんのAV。
いやでも待って。
男同士だよな。
え、男が男にフェラってありなのか。
俺がいままで見てきたAVは女の子のアソコだったり男のアレを舐めあったりーっていうのは見たことあります、が。
いまだチェリーな俺は実体験ないから、見たことあるだけだけど。
でもわかるAVは男女の営みをうつしている、はずだ。
「んっ、あんっ……は、そ……うじ…くんっ、んや……っあ」
まるで女の子みたいな喘ぎ声を出してる美千。
じゅぽじゅぽと卑猥な音を響かせて美千のを口に含んでいる宗二。
男同士のはずなのに、なんでこんなにエロくさいんだ。
いつもおとなしい美千は顔を赤く恥ずかしそうにしてるけど腰揺らしてるし。
宗二はやたらと色気垂れ流し状態で美千に奉仕してるし。
「ぅんっ……も、っあイクっ。ザーメン出ちゃうっ」
「……」
「出せよ」
「……」
「ああっ、んく……っはあ……イクイクっ」
背筋をしならせて美千は派手に声を上げて――たぶん宗二の口の中に射精した。
……口内射精だ。
AVで見たことある。
フェロモンお姉さんが口の中に射精されて、それを舌に乗せて見せつけるようにして飲みこむんだ。
まるでその再現のように宗二が白い体液を舌先に乗せて口から出して。
AVとは違ったのは、宗二が美千の上に跨ってその顔の上でそれを吐きだしたところだ。
射精したことでぼんやりしていた美千はそれに気づいたように舌を出して落ちてくる自分の体液を受け止めてごくんと飲んだ。
「……」
え。
なにこれ。
なんのAV。
いやでも待って。
男同士――って頭ん中で確か一回考えたことがリピート再生される。
男同士なのに、AVよりも生々しくてエロくさくて。
なんなの二人とも、俺チェリーなんだけど、なんなの二人とも。
俺が知らなかっただけで男同士でもこういうのって普通にするのか。
違うよな、違うよな。
「京」
固まっていたら宗二の声がして我に返った。
「は、はい」
ソファに寝転がっている美千は熱っぽい呼吸でぼうっと俺の方を見てる。
そして宗二は俺が初めて見る、いやAVなんかでは見たことあるフェロモンというか欲情しきった目で俺を見てる。
「ちょっと来い」
指でちょいちょいとされて戸惑う。
俺と二人の距離は二メートルもない。
だけどそっちへ行ったらやばいような警報がなる。
どうしよう。
「京。来いよ」
絶対やばい。
そう思うのに口角を上げた宗二の声にどうしてか逆らえないで、俺はおそるおそる二人のもとに行ってしまったのだった。
宗二に呼ばれて立て膝で傍に行って――自分の目を疑った。
だ、だって!
「んなビビんなよ」
宗二は俺に口角を上げて言ってくるけど、宗二の片手が!指が……美千の……ア、ア、ア。
言えねーし!!!
宗二の指が美千のアナルに入ってるなんて言えねーもん、俺ー!!!
って、言ってるー!!!
その上、ガン見してる俺に、妖しい笑みを浮かべた宗二は指をわざとらしく動かして見せる。
「……んっあ」
そのたびに美千からヤらしー喘ぎがこぼれる。
射精でぐったりしてた身体はよく見ればびくびく痙攣しつづけてた。
ほんの少し腰も揺れてる気がする。
「そ、そ、宗二くん」
「なに」
「なにして……るんですか」
テンパりまくって、緊張して声上擦るし、敬語になっちまうし!!
ああああ、しかもドキがムネムネじゃねー、胸がドキドキドキドキしまくっててハンパないんですけども!
「ナニだろ」
だからナニー!?
「京」
「は、はいぃ!」
「お前、童貞だよな」
「………」
ニヤって笑う宗二がいつもの宗二と違う。
いつもはもっとクールだろ、無口だろ。
なのになんで今日はそんなに意地悪っぽいわけー!
しかも二人とは違って、はいそうです、童貞です!な俺の傷口抉るようなことなんで言うわけだよ!!
「……そうですけど」
「拗ねんなよ。つーか、なんで敬語」
言いながら宗二が俺の腕を掴んで引っ張ってきた。
うわっ、って思わず叫んで前のめりに宗二のところに倒れ込んだ。
胡坐かいた宗二の足元に。
「す、すねてねーよ」
慌てて起きあがろうとしたら肩を押さえつけられる。
「な、なんだよ」
「お前も気持ちいいことしたくない?」
「へ、はぁ?!」
な、なに言ってんだ宗二は!
焦って宗二の手を振りほどいて起きあがった。
「でもお前だって、もう勃ってんだろ」
「はぁああ!? んなわけあるかー!!!! ……ひゃぁ!!」
そう叫んだはいいけど、宗二がいきなり身体を寄せてきて俺の股間を空いてた手で押してきた。
「な、な、な!!!」
「ほら、勃ってるじゃん」
「………」
えええええええ、そんなはずなー……い、こともなく。
宗二に言われて、そんでもって美千のエロい視線を感じて自分の股間見下したらばっちりがっつりテント張ってました……。
「ち、違う! これは!」
「いーじゃん、別に。俺ら友達だし。な、美千ー?」
「……んっ……ぁん」
みっちゃん、頷いてんの、喘いでんのどっち!?
いや、つーか友達だとか言う問題!?
頭ん中疑問と混乱ばっかりで、目を白黒させてると―――また宗二に腕をひっぱられた。
そして今度は口に、なんか触れてきた。
―――え。
驚いて声をあげかけたら、そこからぬるっとざらついたものが侵入してきて俺の舌に絡まって。
俺は俺の目の前も目の前にいる宗二に驚いて。
そんでもってなんですかこのテクっていう宗二くんのベロチューに犯されていったのだった。
***
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