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第4話

「残念ながら、お前にとってのじゃなくて鈴にとっての必要最低限だね。」 相変わらず笑顔で毒を吐く隆都にまたしても透流は効果音をつけて項垂れる。 「まぁ、最初はそんな感じで、鈴にキャーキャー言ってた奴らにも、“アイツ”について聞いてくるミーハーな奴らにも、俺たちにも全く取り合ってくれなかったからね。そんな鈴がちゃんと挨拶してくれて、一緒にいてくれて嬉しい気持ちもわかるよ。」 やっぱそーだよなぁ、とさっきまで突っ伏してたヤツが同意する。 「それに加え、その時の鈴の態度のお陰で鬱陶しいヤツが周りに居なくなったのもこれまたラッキー。」 まぁそこは腹黒隆都に同意するな。キャーキャー煩いだけならまだしも、アイツのことを聞いてくるヤツらほどイラつくものはなかった。 「ねぇ、鈴くんは本当に涼(りょう)君と兄弟じゃないの?」 俺と顔や背格好が瓜二つなアイツ、谷ヶ野 涼(やがの)の名前をだされ、俺の眉がピクッと動いたのがわかると同時に、男も女も関係なしにクラスメイトが聞き耳を立てているのがわかった。 「兄弟じゃねぇよ。」 谷ヶ野涼は1年1組の生徒。この学年でイケメン集団だと騒がれて、女にはキャーキャー言われ、男には尊敬され、『四天王』と呼ばれている4人組の1人らしい。 兄弟なんかじゃねぇしどうでもいい。 「透流、ここでする話じゃないでしょ。黙らないと鈴に蹴られるよ。」 良い案だな。実行してやろうか。

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