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第5話
稔side
生徒会役員が変わり、初めての仕事。入学式の準備。無事に入学式が終わり少しゆっくり出来ると思ったら、一週間後、編入生が来る事になった…。それも一般の生徒…。
此処は山の中にある全寮制の学校で、自分で言うのもなんだが、お金持ちが通ってる。そのため一般生徒と言うだけでも珍しいのに、編入生問題が起こる予感しかしない…。
「柳田、お前コイツ迎えに行って来い。門の前にいるだろ。とりあえず、理事長室に案内しろそれから職員室と、寮に送り届けとけ」
「…私がですか?」
「嗚呼。行って来い。もう時間過ぎてるから急げよ」
「…仕方ないですね。それでは行ってきます」
行って来いってなんなんだ。偉そうに…。面倒ごとを押し付けただけじゃねぇか!くそッ…。
あー腹立つっ!猫被って良い子ちゃんしてるのも面倒だな…。まぁ、そうでもしてないとやってけないから、仕方がないんだけど。
大体、生徒会が人気投票で決まるの可笑しいし変にカースト制が出来上がってるから面倒だ。
「……スー…スー…」
「あの……」
「……スー…スー……。んっ……スー…」
「起きない…か……。面倒だな…」
此処に捨て置くわけにも行かず、おんぶした。姫抱っこの方が楽だが、タイプでもない子を
姫抱っこする趣味はない…。
背中の方で、ごそごそっと動く感じがした。起きたのかな…。なら、さっさと降りて、歩いて欲しい。これ以上面倒なことに巻き込まれたくないし。声をかけてみよ…。
「おや、起きましたか?」
「……だれ…?」
「私は、生徒会副会長。柳田 稔です」
「お、おろして…。きもち、わるい……」
おっと、吐かれたらまずい…。サッと降ろすとフラッとよろめいたが、ちゃんと立ててる。
それにしても、ちっさ……。1年生だとしても、流石に小さすぎ。
「大丈夫ですか?」
「うん。だいじょーぶ。あるく」
「…そうですか。では、行きますよ。私は忙しいのです」
「うん」
歩き出したのは良いのだけれど、おっそ…。
小さいから、一歩も小さくて遅い…。はぁ…、まだ仕事が残ってるのに…。
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