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第14話
稔side
朝目が覚めると、隣に居たはずの夕陽がいなくなっていた。帰ったのか……。何故か少しだけ寂しい気がした。
まぁ、お昼頃には会えるか。食堂で食べるだろうし、その時にでもパートナーの話をしよう。
「遅くなりすみません…」
「遅かったな、稔。遅れた理由はなんだ?」
「編入生と一緒に過ごしていたからですかね…起きた時には居ませんでしたが…」
「…は?…お前が?軽く潔癖が入ってお前が?何かの間違いだろ?」
確かに潔癖が少し入ってるから、私の部屋に人が入ったことはほとんどないのだ。時々入る人はいるが、本当数十分だけだ。
それに、人が入った後は入念に掃除してしまう癖があるのも潔癖のせいだ。
「間違いじゃないですよ。それよりも、仕事しましょうよ。手、止まってますよ」
「今日、食堂に行くぞ」
「……貴方が⁇」
「俺以外に誰が居るんだ?」
「……………わかりました…」
生徒会は人気投票で決まるため、学校内を歩くだけで人だかり行事の司会は歓声で耳が壊れそうだし、食堂のドアを開けても同じだ。
それが嫌でいつも利用しないのだが、珍しく、会長が行くと言うなんて……。
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