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第15話

麗夜side 彼が眠ってたから、担任に聞いてみると、この子は最近編入してきた夕陽くん。 どうやら、訳ありで理事長の甥らしい…。テストは高得点で合格したみたいだが、それも本当かどうか怪しい……。 「この子、なんでこんなに幼いのですか?」 「さぁな……。俺も聞いてないただ、目を離さないように言われてる」 「そうですか…。なら、ここにも来やすい環境を作らないといけないですね…」 今日、出来るだけ多く話して仲良くなっておきたいなぁ……。そうしないとこの子、もう保健室に来なくなってしまう気がする…。 「……んっ…んんっ…」 「おや、起きましたか…?」 「せんせぇ……?」 「はい。そうですよ。気分はどうですか?」 んんっ…と、唸って、良くなったとふわっと笑った…。でもその笑顔には何処か陰りがあって話を聞いてみることにした…。 「何か悩みがあるのですか?話してみてください。そんな悲しい笑い方をしないでください」 「あのね、ぼく、わからないの…。Domの気持ちも、Subの気持ちも……。わからないの…」 分からないというより、分かりたくないって思っているみたいに見える…。

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