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第23話

夕陽side 稔さんが僕の近くに来ると、声が静かになって今度はヒソヒソと僕のこと言ってる……。 先生にぎゅっとしていたら、知らない人が、 僕の顎を指で上に向けて、目を合わせてきた… すると体の奥でゾクッとして……。 「あ、あの……」 「俺は有栖川 陵樹。転校生だな。名前は?」 「…ゆう、ひ……。霧野 夕陽…」 「夕陽か。ユウ、お手。」 「……わん…?」 「いい子。今から飯か?一緒に食べても?」 「はい……」 いい子って言われると…、嬉しくなって…。 なんか頭の中が、ふわふわ ってする。なんだろ気持ちいい……。頭をなでてくれた手が離れていくのを思わず目で追ってしまう…… 「あっ……」 「ん?どうした?」 「頭撫でて……」 「あ、嗚呼、こうか…?」 あれ…?なんで……⁇ さっきみたいに気持ちよくない…。キョトンとしてると、えーっと、 撫でてくれてる人もキョトンとしてしまった… 「どうした?」 「あ、りすがわ……さん? さっきと違うの…。ふわふわで気持ちよかったの……」 「リョウでいい。それはきっと、Sub spaceになったからだろ。気に入ったなら、また行為をしてやるよ」 「…うん。稔さんもできるの…?」 「出来るよ?やってあげる?」 「…今はいいの……」 僕は初めて、気持ちって感じを知ったのだった そして、運命の歯車は狂い出していく……。

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