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第30話

陵樹side 部屋でゆっくりしていたら、ノックの音がしてドアを開けた。そこには稔が立っていた。稔は用事がないと俺の部屋には来ない。 何か緊急な用があった時くらいしかこないし、 今日は何も無かったはずだが、何か問題が起きたか⁇ 「……なんだ、稔。何の用だ?」 「私ではなく彼ですよ。貴方に会いたくなったみたいにで、送ってきました」 「ぼく、めいわく…?ごめんなさい……」 「なるほどな。ありがと、稔。ユウ、中入って全然迷惑じゃないしな」 どうやら、稔ではなくユウが俺に会いたかったらしい…。可愛いな。それにしても、稔、またダメだったのか……。 幼馴染だから知っているのだが、稔は行為の時の波長が合いにくい……。 「稔と行為したのか?」 「うん……。でもね、きもちくなかったの…。それでね、リョウさんにあいたくなっちゃた」 「そうか。なら、行為するか?」 「…うん」 そして、本当に会いたい人に会いたくなるようだ。その度にこうして送ってあげたりしてて、本人は傷ついたりしてる…。 「おすわり…」 「…んっ……」 「いい子。ぎゅってする?」 「うん…」 早く稔にも波長の合う人で、いい人が見つかればいいのにな……。 ユウは、可愛いな……。考えてる事が顔に出てるし、感情がだだ漏れしてる…。こんなに分かりやすい子も初めてだ…。もっと俺の事好きって顔をさせたい……。

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