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第36話
稔side
夕陽に頼られて、嬉しかった。だから、行為を行った……。でもやっぱり俺ではダメだった。
何故か分からないが、俺は行為中の波動が特殊らしく、他者となかなか交わらない…。そのせいか、本当に波長の合う人に会いたくなる人たちが多かった……。
「はぁ…。今回もダメか……」
そのせいで、まだ正式なパートナーが居ない。いつも心が満たされなくて、行為はそんなに好きではなかった……。
今回こそと思ったんだけどな…。会長と、夕陽が出会った、あの時……。負けたって思ったのはやっぱり間違いじゃなかったのか……
「あれ〜?ふくかいちょーさんだ〜!」
「貴方、こんな時間にここで何をしているのです?もうすぐ消灯時間ですよ」
「それを言うならふくかいちょーさんもですよね〜?何してたんです〜?」
下半身がゆるゆるな後輩…。まだ入学して少ししか経ってないのに、既に二年にまで噂が回ってきてる。
やんちゃな見た目の割に人懐っこく、エロくて可愛いとか……。なんでこいつが生徒会に入っているのか未だに理解出来ない……。
「私は用事があって会長に会いに行ってたのです。貴方も早く帰りなさい」
「ねぇ、ふくかいちょーさんっ!寮の鍵何処かに落としちゃったんですけど〜、一晩泊めてくれませんか〜?」
「嫌です。貴方のような下半身の緩い者を入れて部屋を汚されたくありませんので。それに貴方のことを泊めてくれる人は沢山いるんじゃないですか?」
少し冷たい言い方になってしまったけれど、
今日はそんなことを気にしている余裕はなかった…。初恋が、砕けたかも知れないのだ…。
そんな日くらいは一人で過ごしたかったから…
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