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第39話

稔side 冷夏の発言に戸惑っている間に抱きしめられていて、背の低い彼は、すっぽりと収まってしまっていた…。 「………な、何してるんですか…⁉︎」 「稔先輩……、俺の話、聞いてくれませんか」 「……とりあえず、離れてくれたら考えます」 「うん。これで聞いてくれますか…」 今日はやけに素直だ…。それにいつものようなチャラさも無ければ、どこか寂しそうで……。 その寂しそうなようすが、自分自身と重なって話を聞いてあげてもいいかなと思った。それと同時に、踏み込んだらもう戻れないことを悟っていた…。踏み込むか、引くか……。 「……ソファーに、紅茶を入れよう。それともハーブの方がいいかな…」 「どっちの方が心が落ち着く…?」 「私は紅茶が好きですね。ミルクを入れて飲むのが好きなんです…。少し甘いの、落ち着きますよ…。それにしましょうか?」 「うん。お願い……」 へんな感じだ…。いつもと違うだけなのにこんなにも印象が違うのか…。チャラいだのやつだと思っていたが、よく見ると小さくて、まだ子供なんだよなと改めて思う……。 俺よりも小さいことなんて初めから知っていたはずなのに、今の彼はそれ以上に小さく見える 「はい、どうぞ…。それで、どうしたのですか?というより、私でいいのですか…?」 「俺、浮気してる人許せない…。なんで浮気して平気そうな顔してるの……。分からない…」 何を思ってそう言っているのか、俺には分からなかった…。"お前がそれを言うか" と……。

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