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第52話
稔side
嘘をつくのは得意な方だった。でも、一人だけ騙さなかった。それが幼馴染の陵だ。陵意外にも、最近転校してきた夕陽にはバレてしまう。
だから、気をつけてたのに、今日もすぐに気づかれた。それだけなら良かったのだが…。
「体調悪いんですか?保健室まで送ります?」
なぜか僕に付きまとってくる冷夏にバラれてしまった…。そのせいで保健室まで連れて行かれることになって…。全く面倒だ…。
「ただの風邪だから大丈夫です」
「一応、行っときましょ?熱あったら、稔さんが辛い思いするでしょ?」
ブツブツ面倒なことを言い始めだから仕方なく熱を、測ってみると39.5度…。思ったよりも熱上がってたな…。これは、早退させられるかな
「うん。早退ですね。君も一緒に行きたいって顔してますよ。彼一人では無理しそうですし、上手く理由つけておきます。彼に付き添ってあげてください」
「先生、ありがとっ、ございます」
僕の看病が出来ると思っているのか、すこし、ワクワクしてるみたいな顔してる。移すわけにはいかないから、部屋に入れる気は無かった。
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