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第54話

稔side そのあと、どうやってベットに行ったのかよく覚えてない。気が付くとベットの上にいて、 空は赤くなっていた…。 「夕方…?」 「あっ、起きました?良かった〜。稔さん死んだように寝るからすっごく怖かったんですよ⁇何度も何度もちゃんと呼吸してるか確認したんですからね?」 「……何言ってるの…です?……私が、貴方の前で、寝たのですか……?」 「はい。それはもうぐっすり。体調も少し良くなってるんじゃないですか?」 どれだけ熱が高くても人まで寝たことは無い。家でも、人の気配がすると起きてしまうのだ。何故かは分からないが、敏感過ぎる。 だからこそ、彼を追い返したかったのだが…。 寝たらしい…。それも、ぐっすり……。 「お腹空きません?お粥作ったけど食べる?」 「あ、はい…。ありがと……ございます…」 「卵とネギいっぱい入れたから、これ食べたら元気が出るよっ!早く良くなってくださいね」 にこにこしながら持ってきてくれた。温めてくれたのか、出来たばかりなのか、湯気が立ってて熱そうだ…。 「起きれます?」 「大丈夫です」 「ふー、ふー、まだ熱いかな……?ふー、ふーはい、稔さん。あ〜ん」 「あ……んっ……。おいし……」 今まで食べたのもの中で一番美味しい気がした

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