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第60話
冷夏side
熱が出ると甘えたになるのか、いつもの稔さんでは考えられないくらい甘えてくる…。
「ふー、ふー……あー、ん」
「あ……ん。もぐもぐ……」
「美味しい?熱くない?」
「…はい」
身体を動かすのすら怠くて嫌みたいで、俺にもたれかかりながらもぐもぐ食べている。
ちゃんと、冷ましてあげてるはずなんだけど、ちょっと熱い時があるみたい…。熱いと、眉がキュッと、下に下がって不満そうにする。
「熱あると甘えたになるんですか?」
「ん……、喉、乾きました…」
「はい。スポドリです。飲めますか?」
「飲ませて……」
ぼーっとしながらもぐもぐしてるの可愛い…
ちょっと不謹慎だけどそんなこと思っちゃった
頭がいたいみたいで、食べ終わったあとも、
俺に寄りかかってくれてる。喉が渇いたのか
"飲ませて" なんて可愛くおねだりしてくる…。
「少しの間、口開けててくださいね…」
「うん…」
「んっ…んっ……んっ……」
「んっ……コク、コク…。んっ……ぷはっ…。びっくり、した……」
口移しで飲み物を飲ませてあげると、飲んだ時は嬉しそうにしてたのに、少しすると、むぅ…ってするから何か気に障ったのかと思っちゃった。
きっと、風邪移したらどうしようなんてことを考えてるんだろうな…。目が俺のこと見つめてウルウルしてるもん…。
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