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第61話

冷夏side 風邪とかは移りにくい方だけど、一応気を付けておかないと…。移っちゃったら、稔さんが、悲しんじゃうもんね…。 「俺、体丈夫な方だから。風邪移るとかそんなことは心配しなくていいよ」 「うん……冷夏…、もっと、ちょうだい……」 「はい…」 口移しで飲ませていると、ちょっと変な気分になってくる…。稔さんの舌が無意識に拙く俺の口の中でチロチロ動くから……。 まるで、子猫がミルクを求めてるみたいに感じちゃって、もっといっぱいあげたくなっちゃう 「お薬飲んで少しねんねしよっか……」 「うん……」 「自分で飲めそうですか?」 「飲ませて……」 そろそろ寝かせてあげないと、治るものも治らない…。そう思って寝かせてあげようとすると急に泣き出しちゃった…。 「ひぐっ……ひくっ……」 「え?…み、稔さんっ!?な、何で泣いてるんですか…?」 「ひくっ、ひくっ……うっ……。りょ……」 りょ……って、会長のことだよね…?どうしていいかわからなくなって、とりあえず、会長を呼び出した……。

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