62 / 88

第62話

冷夏side 会長に、呼び出した訳と、稔さんの状態を話すと、俺のことを落ち着かせる言葉をかけてくれた。そして、稔さんの側にいろと言われた…。 「大丈夫。きっと、大丈夫だ。稔のそばに戻ってやれ」 「…はい」 会長の自信のある目を見ると落ち着いてきて、 俺自身もちゃんと落ち着いた。 「ひとり、やだ……ひくっ…ひぐっ……ぐすっ ……うぅ…ぅっ……ひぐっ…」 「ご、ごめんね……。一人にして、だ、大丈夫だよー。ずっと側に居るからねー」 「ひくっ……ほんと…?」 「う、うん。本当だよ?だから、落ち着いて」 部屋に戻ると稔さんはまだ泣いていて、一人が寂しいって泣いていた。それを見て、俺は泣いてる稔さんを一人にしたことに罪悪感を感じた 抱きしめて、落ち着かせるようにトントンして落ち着かせてあげる。稔さんは落ち着いてくると、眠気も来たみたいでウトウトしてる…。 「眠たくなって来ちゃった……?」 「ん……」 「じゃ、ちょっとだけねんねしよっか…」 「おや、すみ…」 「おやすみなさい……」 稔さんが寝つくまで側にいて、ギュッと抱きしめていた…。少しだけでもいい…、少しだけでもいいから…、稔さんが、安心して、ゆっくり眠れるように願った…。

ともだちにシェアしよう!