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第62話
冷夏side
会長に、呼び出した訳と、稔さんの状態を話すと、俺のことを落ち着かせる言葉をかけてくれた。そして、稔さんの側にいろと言われた…。
「大丈夫。きっと、大丈夫だ。稔のそばに戻ってやれ」
「…はい」
会長の自信のある目を見ると落ち着いてきて、
俺自身もちゃんと落ち着いた。
「ひとり、やだ……ひくっ…ひぐっ……ぐすっ
……うぅ…ぅっ……ひぐっ…」
「ご、ごめんね……。一人にして、だ、大丈夫だよー。ずっと側に居るからねー」
「ひくっ……ほんと…?」
「う、うん。本当だよ?だから、落ち着いて」
部屋に戻ると稔さんはまだ泣いていて、一人が寂しいって泣いていた。それを見て、俺は泣いてる稔さんを一人にしたことに罪悪感を感じた
抱きしめて、落ち着かせるようにトントンして落ち着かせてあげる。稔さんは落ち着いてくると、眠気も来たみたいでウトウトしてる…。
「眠たくなって来ちゃった……?」
「ん……」
「じゃ、ちょっとだけねんねしよっか…」
「おや、すみ…」
「おやすみなさい……」
稔さんが寝つくまで側にいて、ギュッと抱きしめていた…。少しだけでもいい…、少しだけでもいいから…、稔さんが、安心して、ゆっくり眠れるように願った…。
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